2021 Fiscal Year Annual Research Report
Glycan profiling of oral precancerous lesions using Mass Spectrometry Imaging
Project/Area Number |
18K09562
|
Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
江原 道子 朝日大学, 歯学部, 講師 (10425308)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 寿奈 朝日大学, 歯学部, 助教 (30734173)
永山 元彦 朝日大学, 歯学部, 教授 (50298436)
木下 聖子 創価大学, 糖鎖生命システム融合研究所, 教授 (50440235)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 口腔上皮性異形成 / 口腔扁平上皮癌 / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度にMALDI-IMS解析を用いた糖鎖に対する解析方法を確立できたことより、2021年度は解析対象とする症例についてMALDI-IMS解析を行い、その解析結果より、口腔粘膜上皮細胞が腫瘍性増殖能を獲得する過程および浸潤能獲得における糖鎖構造改変について検討した。その結果、腫瘍性増殖能を獲得したと考えられる上皮性異形成では正常粘膜と比較して、6個のhexoseと2個のN-acetylhexosamineを持つ糖鎖構造が最も減少しており、反対に3個のhexoseと3個のN-acetylhexosamineを持つ糖鎖構造が最も増加していた。上皮性異形成と上皮内癌との比較では、6個のhexoseと3個のN-acetylhexosamineを持ちシアル化を伴った構造が最も増加しており、5個のhexoseと2個のN-acetylhexosamineを持つ糖鎖構造が最も減少していた。上皮内癌と浸潤能を獲得した扁平上皮癌では、6個のhexoseと3個のN-acetylhexosamineを持ち、さらにfucoseが付加した糖鎖構造が最も減少しており、5個のhexoseと2個のN-acetylhexosamineを持つ糖鎖構造が増加していた。しかしながら、全体的にはfucoseの付加を伴う糖鎖構造が上位を占めており、浸潤能獲得にはfucoseの付加が関与することが示唆された。これらの結果をもとに、糖鎖関連のデータベースを横断的に検索できるGlyCosmos Portal, GNOme Structure Browser (https://glycosmos.org/glycans/gnome)を用いて、口腔粘膜上皮細胞における腫瘍性増殖能獲得および浸潤能獲得に特異的な糖鎖構造を検索した。
|