2018 Fiscal Year Research-status Report
ヒトγδ T細胞による口腔癌抑制作用をニュートリゲノミクスにより制御する
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18K09563
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
堂前 英資 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (50454559)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヒトVγ9Vδ2 T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトVγ9Vδ2 T細胞(以下ヒトγδ T細胞)による癌細胞抑制作用は、T細胞受容体を介した抗原の認識を必要とする場合と、NKG2DなどのNK受容体を介する場合があり、更にサイトカインによる活性化がこれらを修飾することが知られている。ヒトγδ T細胞のT細胞受容体は活性化したBTN3A1であり、BTN3A1の活性化は細胞内に生成されるイソペンテニル二リン酸等によって活性化される。本研究課題では口腔癌細胞内でのイソペンテニル二リン酸の生成と癌細胞周囲の栄養状態との関係を明らかにし、栄養状態の制御を介した口腔癌細胞内でのイソペンテニル二リン酸の生成誘導と、これを認識し活性化されたヒトγδ T細胞による癌抑制作用の実現を目指す。 複数のヒト口腔癌細胞株がBTN3A1を発現することを確認した。窒素含有ビスホスホネートによるメバロン酸経路阻害で細胞内にイソペンテニル二リン酸を生成しヒトγδ T細胞を活性化(インターフェロンγ発現)することを確認した。また、これらの口腔癌細胞はヒトγδ T細胞により殺傷されることを確認した。培養口腔がん細胞の培地中の血清から脂質を除去することにより、転写因子SREBP2の切断(活性化)が生じることを確認した。培養口腔癌細胞の培地からシクロデキストリンを用いてコレステロールを特異的に除去することにより、SREBP2の切断が生じることを確認した。脂質除去血清を添加した培地で培養した口腔癌細胞にLDLを添加することによりSREBP2の不活性化が生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示した内容の一部をまとめたものを学術論文として発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
SREBP2の活性化を指標として、これを活性化・不活性化する因子を探索し、口腔癌細胞内でのイソペンテニル二リン酸の蓄積を介したヒトγδT細胞の活性化誘導と癌細胞抑制を検討する。
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Causes of Carryover |
当該年度の実験完了時に既受領額累計の約1%の次年度使用額が生じたが、少額であるため前年度及び次年度の研究計画に変更が生じるものではない。
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Research Products
(1 results)