2020 Fiscal Year Research-status Report
歯科用テラヘルツパルス波イメージング技術の開発と接着修復への応用
| Project/Area Number |
18K09571
|
|---|
| Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
|---|
Principal Investigator |
保坂 啓一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (80451946)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 正俊 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (50272604)
林 樹莉 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (60803187)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | 象牙質 / エナメル質 / 接着修復 / テラヘルツパルス / イメージング |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
う蝕治療や少数歯欠損補綴治療において接着歯学研究は21世紀の歯科医学の最重要研究領域の一つである。低侵襲の機能再生・審美再生が可能になることから、近年では、先進的イメージングを利用した接着機構の解明、初期う蝕病変の診断など基礎および臨床研究が盛んに行われている。本研究では、光工学領域における未開拓領域であるテラヘルツ（THz）パルスを用いた接着歯学領域のイメージングを試みており、歯科用イメージングのためのTHz波の最適化を試みている。THzパルスを、歯やコンポジットレジンや歯科用セラミックスなどの修復材料に用いた場合の光学的特性や画像精度を検討し、屈折率などの違いが画像精度に与える影響を調査する。THzパルスの最適化後、抜去歯やin vitro で作成した修復物などを用い、う蝕や修復物内部の欠陥や辺縁漏洩、歯冠や歯根の亀裂、被覆形態の修復物の辺縁部適合性について、非破壊断層画像診査ならびに立体画像構築について総体的な評価を行う。本年度は、TeraMAPを用いて、歯科用コンポジットレジンをヒト抜去歯窩洞に填塞した試料（感染歯質の有無により２群）、う蝕窩洞形成後歯髄に近接した試料、歯科用接着性レジンセメントを用いて間接法修復物（コンポジットレジン）をヒト抜去歯に装着した試料に対して、測定間隔100um（反射）／200um（透過）、時間波形2048点、時間波形11.38ps強度でのイメージングに成功した。今後イメージング条件の最適化、高速度化、高解像度化が必要である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年は計画通り、歯質接着修復試料に対するイメージングに成功した。ただしさらなる最適条件の模索、高速度化、高解像度化が必要である。
|
| Strategy for Future Research Activity |
本年は歯質接着修復試料に対するイメージングに成功した。依然として水に対する感受性の問題を克服すべく最適条件の模索が必要である。さらに、水に対する検出力を活用して、歯質接着耐久性を向上させる新しい研究の方向性も検討する。歯科用診断装置としての実用化は、さらなる高速度化、高解像度化が必要である。徳島大学pLED研究所のTHzヘルツ研究グループの研究協力を受けながら推進していく予定である。
|
| Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の拡大により成果発表としての機会がオンラインその他となり、旅費滞在費がなくなった。
|
