2019 Fiscal Year Research-status Report
がん化学療法中の好中球減少性発熱と歯内・歯周感染の関連の実証および治療効果の発信
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18K09574
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
曽我 賢彦 岡山大学, 大学病院, 准教授 (70509489)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 口腔感染巣 / 好中球減少性発熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
殺細胞性抗がん剤によるがん化学療法等を受ける易感染患者を対象とし,がん治療によって生じる骨髄抑制による易感染状態下で発生する好中球減少性発熱(febrile neutropenia)予防にあたっての歯内・歯周疾患の治療戦略およびその効果を明らかにするため、当初掲げた実施計画における3つの戦略で研究を進めている。 1)歯内・歯周感染が原因である好中球減少性発熱の発症状況の調査:本院乳腺外科、腫瘍内科の協力を得て,乳がんの補助化学療法を受けた患者を対象とし,歯内・歯周感染をはじめとする歯性感染の関与による好中球減少性発熱の発症頻度の実態調査を進め、データの集積を行った。 2)好中球減少性発熱の発症に関連し得る特徴的な細菌として、申請者らがこれまでに行った研究を基に、Lautropia mirabilisに注目し、性状を調べ、その結果について国内の学会で発表した。健常者および患者における保有頻度に関するデータ集積の準備を行った。 3)がん化学療法受療中患者の歯内・歯周感染から得られたサンプルについて,PCR法によりMRSAあるいはVREを規定するmecA,vanAおよびvanB等の遺伝子の保有状況を調べるための準備を行っている。 さらに、がん治療中の患者の口腔感染管理に資するため、周術期の口腔内の管理について総説をまとめ発表した。また、造血細胞移植患者における好中球減少性発熱の原因の一つである口腔粘膜障害を対象とし、メルファランを含む前処置・大量化学療法での口腔冷却療法(クライオセラピー)の有用性を明らかにし、学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行で試薬の入手が遅れている。また、申請者は病院職員であり、本務における新型コロナウイルス感染症対策に時間を要し、研究に費やす時間を確保することが困難になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症が終息すれば遅れの問題は解決するが、現時点で見通しが立たない。補助事業期間の延長申請を視野に入れ、予定した研究を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大による研究試薬の入手遅れ、および資料収集を予定していた学会の中止により次年度使用額が生じた。感染拡大の終息を待って研究を進める。なお、研究期間の延長も検討する。
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Remarks |
Mucositis Study Group of the Multinational Association of Supportive Care in Cancer/International Society of Oral Oncology (MASCC/ISOO)による、Mucositis Clinical Practice Guidelines のアップデートのための共同研究。
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Research Products
(22 results)