2018 Fiscal Year Research-status Report
骨粗鬆症が増殖因子と超音波療法を用いた硬組織形成に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
18K09575
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山路 公造 岡山大学, 大学病院, 講師 (30374531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉山 昌宏 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (10201071)
菅谷 勉 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (10211301)
島田 康史 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (60282761)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症 / 増殖因子 / 超音波療法 / 硬組織形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年高齢化社会の到来によりわが国において骨粗鬆症が年々増加しつつある。骨粗鬆症には加齢に伴い緩やかな骨量減少が持続する老人性の低回転代謝型、および閉経後のエストロゲン分泌低下により骨吸収が亢進する高回転代謝型が知られている。増殖因子であるBMPは硬組織誘導能を有し象牙質形成や骨形成に関与する因子として知られている。さらに高周波刺激など超音波療法を応用することにより硬組織形成や骨折治癒の促進効果が認められており、骨粗鬆症における検討も必要と考えられる。 そこで本研究は、増殖因子と超音波療法の硬組織形成反応に着目し、両者を用いた場合の効果について、骨粗鬆症(低回転代謝型および高回転代謝型)が及ぼす影響を解明する目的で実施した。 本年度は、まず主に低回転型骨粗鬆症における骨代謝低下に伴う硬組織形成の影響を解明する目的として、中高齢の実験動物(ラット)を用いた研究を実施した。その結果、中高齢動物では硬組織(骨)の形成量減少が認められるものの、増殖因子移植により新生骨量は有意に増加した。しかし若齢動物(コントロール)と比べると形成量は有意に減少していた。また超音波療法を用いることにより新生骨は、早期に既存骨と一体化する傾向が認められた。以上より、低回転型骨粗鬆症においては、非骨粗鬆症と比べて硬組織形成の減少が認められるものの、増殖因子により形成量は増加することが示唆された。そして超音波療法を用いると硬組織形成が促進される可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、主に低回転型骨粗鬆症における骨代謝低下に伴う硬組織形成の影響を解明する目的で中高齢の実験動物を用いた研究を実施した。その結果、増殖因子の効果と新超音波療法の影響を検討し次年度に繋ぐ研究が遂行できたことから、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、継続して低回転代謝型骨粗鬆症での検討を実施するとともに、次年度からは高回転代謝型骨粗鬆症における増殖因子と超音波療法の効果について検討する予定である。 そして最終年度には総合的な評価が実施できるよう、研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、初年度使用予定の研究経費が当初の見込みよりも少なくてすみ、次年度以降に使用することになったためである。次年度は、研究の継続実施および研究成果の公表に必要な経費として、繰越しとなった研究費を含め用いる予定である。
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Research Products
(2 results)