2019 Fiscal Year Research-status Report
Role of salivary hydrogen sulfide in the pathogenesis of periodontitis
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18K09580
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
中島 啓介 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80227785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 通彦 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10453630)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 硫化水素 / 揮発性硫黄化合物 / 唾液 / 呼気 / 歯周炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,歯周基本治療前後で硫化水素(呼気および唾液)および唾液中の生物学的マーカー(炎症,酸化ストレス,細胞傷害)を測定し歯周組織検査値との関連を明らかにすることで,歯周炎の病態形成に与える硫化水素の影響を解明することである。本研究では,九州歯科大学附属病院歯周病科を受診した慢性歯周炎患者を被験者とし,初診時に治療の一環として行っている歯周組織検査を行う。2回目の来院時には呼気と唾液を採取し,その後に口腔清掃指導を始めとする歯周基本治療を開始する。数回の治療を経た後,歯周基本治療後の再評価を行う。再評価の実施日には呼気と唾液を採取した後,歯周組織検査を行う。唾液の採取は,Saliva Collection Aidを装着した2 mlクライオバイアルを被験者の口唇で咥えさせ,60秒間,流涎により安静時唾液を採取する。唾液中の硫化水素濃度は,蛍光プローブHSip-1を利用してマイクロプレートリーダーで測定する。
昨年度は唾液中硫化水素の測定に必要な蛍光プレートリーダーを購入したが,本年度は呼気中硫化水素の測定に必要な簡易ガスクロマトグラフィー(オーラルクロマCHM-2,エフアイエス株式会社)を購入した。まず,医局員から同時期に採取した呼気と唾液を分析した。その結果,呼気に関しては再現性良く測定できサンプル濃度は50 ppb程度であった。唾液に関しては,HSip-1を利用した硫化水素の標準曲線は再現性良くシグモイドカーブを描いたが,唾液の蛍光強度がかなり小さかったため標準曲線の信頼域から外れることが多かった。また,Saliva Collection Aidで採取した唾液は粘稠度が高いため,想定より多くの量を採取しないと測定に正確な分量を使用できないことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に購入した蛍光プレートリーダーに加えて,本年度は簡易ガスクロマトグラフィー(オーラルクロマCHM-2,エフアイエス株式会社)を購入した。医局員から同時に採取した唾液と呼気について各々の測定器によって測定を実施した。呼気については問題なく測定が可能であった。唾液については蛍光強度が小さくHSip-1の説明書に従って調製した標準曲線の信頼域から外れることが多かったので,より小さい蛍光強度での標準曲線を作成する必要が考えられる。また,Saliva Collection Aidで採取した唾液は粘稠度が高いため,想定より多くの量を採取しないと測定に正確な分量を使用できないことが明らかとなったため,その他の採取キットを検討することも検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のように,唾液サンプルについてその採取方法を再検討する予定である。また,唾液中硫化水素の測定の信頼性を上げるために,より低濃度での標準曲線を作成する予定である。本来の目的である患者からの採取するサンプルも必要な数量に達していないので,今後,医局員の協力の下,サンプル数を増やす予定である。
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Causes of Carryover |
2020年になって新型コロナウィルス感染症の蔓延により,業務多忙となり研究時間が削減された。よって,購入予定であったサイトカイン測定キット等は使用期限を考慮し,令和2年度に購入することにした。
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