2019 Fiscal Year Research-status Report
Induction of differentiation of periodontal tissue constituent cells by regulating expression of miRNA
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18K09583
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高井 英樹 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (30453898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小方 頼昌 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (90204065)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 分化誘導 / miRNA / 歯根膜線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
10%ウシ胎児血清(FBS)および1%ペニシリン-ストレプトマイシン を含むDMEMを用いて継代3~6までヒト歯根膜線維芽細胞を培養した。また、歯周組織構成細胞(特に歯肉線維芽細胞(HGF)およびHPDL)で骨芽細胞より優位に発現しているTwist2およびKlf12の3'-UTRに結合するmiRNAを公開データベースのTargetScanにて検索し、両遺伝子の3'-UTRに結合するmirRNAであるmir141および200aを用いて研究を進めた。mi141および200aが結合するKlf12の3'-UTR をPGL3 promoterルシフェラーゼプラスミドに挿入し、シークエンス解析を行い、正しい配列が挿入されたか確認した。正しい配列が挿入されたルシフェラーゼプラスミドを挿入したHPDLはmi141または200aを細胞内に4時間導入後、 10%FBSを含むDMEMで68時間細胞培養し回収後にルシフェラーゼ活性を計測すると活性は抑制された。次に、HPDLを様々な大きさのディッシュに播種し、mir141または200aを細胞内に4時間導入後、10%FBSを含むDMEMで68時間細胞培養したHPDLを回収し、全RNAおよびタンパク質を抽出し、間葉系細胞に発現する転写因子RNAおよびタンパク質量をReal-time PCRおよびWestern Blotにて検索を行った結果、Twist2およびKlf12mRNAおよびタンパク質量を減少させ、Sox5、Sox6およびTrips1mRNAおよびタンパク質量を増加させた。また、HPDLをディッシュに播種し、mir141または200aを細胞内に4時間導入後、10%FBSを含むDMEMで21日間細胞培養したHPDLをアリシアンブルー染色にて染色した。mir141または200aを導入した細胞はmirを導入していない細胞と比較して強く染色された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯肉歯根膜細胞の継代培養に成功し、研究を完了するのに十分な細胞を確保できた。また、Twist2およびKlf12に結合するmirを検索し、mir141と200aであること を確認でき、Klf12 3'UTRを含んだルシフェラーゼプラスミドを作製に成功し、ルシフェラーゼアッセイを行い、ルシフェラーゼ活性の抑制を認めた。mir141ま たは200aを細胞内に4時間導入後、10%FBSを含むDMEMで68時間細胞培養したHPDLから抽出した全RNAおよびタンパク質を用いて間葉系細胞に発現する転写因子の発現について検索し、Twist2およびKlf12mRNAおよびタンパク質量の抑制およびSox5、Sox6およびTrips1mRNAおよびタンパク質量の増加を確認できた。mir141または200aを細胞内に4時間導入後、10%FBSを含むDMEMで21日間細胞培養したHPDLをアリシアンブルー染色にて染色し、mir141または200aを導入した細胞はmirを導入していない細胞と比較して強く染色されることを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度および今年度に作製したmi141および200aが結合するTwist2およびKlf12の3'-UTRを含んだPGL3 promoterプラスミドを用いて、mi141および200a応答配列にミューテーションを挿入し、ミューテーションプラスミドを作製する。作製したプラスミドはシークエンス解析を行い、正しい配列が挿入されたか確認する。作製したルシフェラーゼプラスミドを用いてルシフェラーゼ活性を計測し、miRNAが予想される配列に結合するか検索する。また、mir141または200aを細胞内に4時間導入後、10%FBSを含むDMEMで68時間細胞培養したHPDLから抽出した全RNAおよびタンパク質を用いて間葉系細胞に発現する転写因子および分化マーカー遺伝子の発現について検索する。
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Causes of Carryover |
今年度は今後の研究に必要なプラスミド作製を行わなかったため、試薬購入のための研究費に余りが生じた。また、mir141または200aを歯根膜線維芽細胞内に導入した時に、mRNA量の増加が認められた転写因子のタンパク質発現の変化をウエスタンブロットにて確認しなかったため、抗体購入のための研究費に余りが生じた。次年度はこれらの研究費も使用して試薬を購入する。
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