2020 Fiscal Year Annual Research Report
The pathogenic calcification mechanism in the dental pulp through AGEs/RAGE signal pathway elucidated by the imaging mass spectroscopy
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18K09596
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 真人 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70380277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 進野 北陸先端科学技術大学院大学, ナノマテリアルテクノロジーセンター, 教授 (70250420)
三浦 治郎 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (70437383)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖化最終産物 / AGEs / 2型糖尿病モデルラット / 象牙質コラーゲン / ラット尾腱コラーゲン / 歯髄内結石 / 質量イメージング / MALDインソース分解質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖化による歯への影響を調べるため、これまではヒトの抜去歯を中心に免疫組織化学的解析、電子顕微鏡観察、コラーゲンの蛍光寿命測定、液体クロマトグラフィー解析などを行ってきた。ヒトでは治療介入によって血糖値のコントロールがされていており、血糖値と歯への影響のさらなる定量的な解析を進めることが困難である。またヒト試料を用いることは倫理的にも多くの問題がある。本研究は2型糖尿病モデルラットを用い血糖値増加がもたらす歯への影響の詳細解析を進めることからスタートした。その結果、糖尿病患者で頻繁にみられる歯髄内結石が、2型糖尿病モデルラットにおいても認められることがわかった。ラットの血糖値の上昇と歯髄内結石形成の増加にも相関があることを見出すことができた。質量イメージング測定においてはこれまで硬組織試料では困難であった質量ピークを、凍結切片試料に対しマトリックス分子とレーザー励起パワーを検討することでMALDI-インソース分解質量分析において、2型糖尿病に特異的な質量ビークを検出した。この質量ピークの領域は免疫組織染色において抗AGEs抗体が検出された領域とほぼ一致した歯髄側に検出された。2型糖尿病モデルラットにおいてはまた肺抽出物中にRAGE(receptor of AGEs)の発現が顕著であることを精製過程で確認し、尾腱コラーゲンにおいてもAGEsが増加していることを高速液体クロマトブラフィー、質量分析で確認することができた。このように多面的な解析を行うことで2型糖尿病における高血糖ストレスの影響の詳細な解析を歯のみならず全身に広げていくことが可能であること示した。
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