2019 Fiscal Year Research-status Report
BMP9を用いた歯周組織細胞の分化制御メカニズムの解明と新規歯周再生療法への展開
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18K09620
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中村 利明 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (60381183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 梢 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00404492)
白方 良典 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (60359982)
江部 由佳梨 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 歯科衛生士 (30790266)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | BMP-9 / 歯周組織再生 / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は前年度までの系と同様にIn vivo 系 ビーグル犬2壁性歯周組織欠損モデルを用いた歯周組織再生効果の検討について実施した。前年度までに4頭を実施済みであったが、さらに今年度2頭の追試を行った。これまでの4匹と同様のモデルを用い同様に外科処置を実施。現在、この2頭の外科処置後の8週間の観察期間を終え、対象組織部位を抽出、 評価対象部位の歯周組織再生効果の放射線学的(デンタルX線, マイクロCT)解析を行うとともに、脱灰薄切標本を作製中である。 また, in vitroの系において間葉系幹細胞の骨芽細胞様分化を促進する作用をもち整形外科分野にて応用されているlow‐intensity pulsed ultrasound (LIPUS)のヒト歯根膜由来線維芽細胞に対する評価を行った。その結果、BMP-2誘導性骨芽細胞様分化にLIPUSは変化を与えなかったのに対してBMP-9誘導性骨芽細胞様分化をLIPUSは促進した。この作用の違いはLIPUSがBMP-2のantagonistであるNogginの産生を促進するためと考えられた。また、Porphyromonas gingivalis由来のLPSが惹起する炎症状態下でのBMP-9誘導性骨芽細胞様分化の抑制をLIPUSは解除した。また、その作用はRho‐associated kinase 1 (ROCK1) を通じて解除する可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、in vivo実験で得られた評価部位の歯周組織(セメント質、歯槽骨、歯根膜、上皮)の治癒像について追試分も含めて組織学的評価を行うと共にセメント質、歯槽骨形成 量、アンキローシス、結合組織性付着量、上皮の深行増殖量について組織形態計測による評価を行う。また、in vitro 実験 (歯根膜細胞に対するBMP-9の作用およびそのメカニズムの解明, BMP-9とEMD-liquidのコンビネーションによる効果促進作用の解析)についても順次開始予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度および前年度に実施したin vivoのビーグル犬を用いた実験は、外部の民間施設にて飼育・管理・処置を行っているが、その費用の支払いが追試分を含めて2020年4月以降であるため、次年度使用額が生じている。
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