2018 Fiscal Year Research-status Report
Crouzon症候群におけるゲノム編集を用いた遺伝子変異修復と新規治療用薬剤選出
Project/Area Number |
18K09626
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
鳥居 大祐 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (10548259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 健夫 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (70366764)
堀江 哲郎 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (10508675)
小林 朋子 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (10548283)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Crouzon症候群 / 頭蓋縫合早期癒合症 / FGFR2 / ゲノム編集 / エクソンノックイン / MAPキナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Crouzon症候群の患者から歯科治療に際して得られた抜去歯の歯髄に由来する歯髄幹細胞を用いて、原因遺伝子をエクソンノックイン法で修復し、変異修復前後での分子動態を比較解析することで、発症につながる分子機構解明と治療用薬剤選出・検証を行う計画である。変異修復に際しては、CRISPR/Cas9によるゲノム編集と部位特異的組換えとの併用によって正常な配列のエクソンノックインを行う。治療用薬剤選出にあたっては、本研究で得られた試料の分子動態をクラウド型ナレッジベースへアップロードすることでCrouzon症候群における症状の発症抑制にはたらく新規治療用薬剤選出につながると考えている。 今年度は歯髄幹細胞の特性について解析を行い、幹細胞マーカーの発現や多分化能を検証した。今年度に特性解析を行った歯髄幹細胞について、今後、細胞不死化操作を実施し、さらに遺伝子組組換え実験に供する予定である。 また、遺伝子組換え実験に関しては、今年度は先行実験としてヒト口腔由来の不死化細胞へゲノム編集用のウイルスベクターを導入し、シーケンス解析による欠失の確認や、コアレギュレーターの遺伝子発現変動の解析を行った。今後は歯髄幹細胞についてゲノム編集と部位特異的組換えとの併用によるエクソンノックインを実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Crouzon症候群の患者と一般患者の歯科治療に際して得られた抜去歯から歯髄幹細胞を採取し、幹細胞マーカーであるCD146、Nanog、Oct3/4の発現と多分化能、および増殖能を解析した。 当初の予定では、今年度これらの幹細胞について多数の解析に安定した品質の細胞を用いるために不死化操作を実施する予定であったが、不死化細胞は作製できていない。 また、Crouzon症候群の原因遺伝子の変異箇所に対し正常な配列をノックインできるよう、今年度はCRISPR/Cas9ゲノム編集用ガイドRNAに相応するゲノム上の特異的配列を探索しライブラリーを作製する予定であったが、ライブラリー作製にはいたっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は歯髄幹細胞の不死化とエクソンノックインを行う。 不死化細胞はヒトテロメラーゼ逆転写酵素発現遺伝子をウイルスベクターで導入し作製する予定である。 エクソンノックインに関しては、Crouzon症候群の原因遺伝子の変異箇所に対し正常な配列をノックインできるよう、CRISPR/Cas9ゲノム編集用ガイドRNAに相応するゲノム上の特異的配列を探索してそれらのライブラリーを作製し、不死化した歯髄幹細胞についてゲノム編集と部位特異的組換えとの併用によるエクソンノックインを実施する。
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Causes of Carryover |
今年度の進捗状況に関して、ゲノム編集にあたりガイドRNA相応配列のライブラリー作製と不死化細胞作製について若干遅滞しており、次年度使用額が生じている。 次年度は上記の実験とエクソンノックインに当該助成金を使用させていただく予定である。
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Research Products
(2 results)