2019 Fiscal Year Research-status Report
オーダーメードジルコニアインプラントのための表面改質法
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18K09628
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
鶴田 昌三 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (40183488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伴 清治 愛知学院大学, 歯学部, 非常勤講師 (10159105)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ジルコニア / 加熱処理 / 表面処理 / インプラント / 衝撃強さ / 低温劣化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度はラットへのジルコニアインプラント埋植試験を行なった.大学へ動物実験計画の承認手続きをとり,1種のジルコニアを使用して,本研究課題の主眼であるところの加熱処理を行ない,ラット大腿骨へのインプラント埋植試験を行なった.径1mm長さ5mmの試料としたので,交付申請書に記載したインプラントの引き抜き試験はとりやめ,埋植後3,6,9週に大学所有のμ-CTにより新生骨の観察を行なった. 得られたCT画像はジルコニアのアーチファクトのため新生骨の観察が難しかった.歯科用デンタルX線写真はアーチファクトを軽減し観察できることがわかったので,改めて歯科用デンタルX線撮影した画像を二値化し,インプラント周囲の新生骨を数値化することを試みた.しかし非加熱処理インプラントの差を認めるに至っていないため,さらに画像処理条件を模索中である. また,ジルコニアは低温劣化により強さが低下することが知られている.3種のジルコニア試料をオートクレーブにより加熱し低温劣化の影響を検討した.評価には平成30年度に行ったジルコニアの衝撃強さ試験を利用した.オートクレーブ後は肉眼で試料の変化は観察されない.しかしX線回折では単斜晶への転換が顕著であった.三点曲げ試験による曲げ強さは低下することが知られているが,衝撃強さに影響はみられなかった.衝撃試験には薄く細い試料を使用するので,試料結晶相の転換が影響しなかったと考えるが今後の研究課題である.この成果は令和1年度日本歯科理工学会主催の国際歯科材料講演会(IDMC2020)もしくは令和2年度の日本歯科理工学会にて発表する予定である. さらにインプラント上部構造にCAD/CAM用レジンを使用した場合を考慮し,剪断接着強さ試験に着手し,日本歯科審美学会第30回学術講演会にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成31年度にラットへのジルコニアインプラント埋植試験を行い,CT撮影および歯科用デンタルX線撮影によって評価を試みた.しかしより正確な評価のためには組織学的な検討が必要と考えるため,遅れていると判断した.平成30年度より行っている衝撃試験については低温劣化させたジルコニアを使用して検討し進展があった.すなわち低温劣化させたジルコニア試料の衝撃強さは変化しないことが判明した.本研究の応用目的としている歯根インプラントは関節へのインプラントと異なる動作,例えば摺動や摩擦ではなく,咬合による衝撃が負荷されるので,歯根インプラントとしての可能性は損なわれないと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,インプラント試験試料の組織観察を試みる.低温劣化の評価方法に摺動や摩擦を負荷することを考案したので,金属のフレッティング疲労試験を参考に実験系を検討中である.加えてインプラント上部構造の材質に,CAD/CAM用レジンを利用した場合の接着強さ試験を継続する予定である.
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Causes of Carryover |
インプラント実験を行う際の器具・消耗品を所属講座が保管している器具・消耗品を使用して,新たに購入しなかったので,見込みより差額が生じた.翌年度組織観察を行う際に合算して使用する予定である.
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Research Products
(11 results)