2020 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamics of TGF-beta1 by Er: YAG laser irradiation in regenerative therapy
Project/Area Number |
18K09630
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Research Institution | Tsurumi Junior College |
Principal Investigator |
小林 一行 鶴見大学短期大学部, 歯科衛生科, 教授 (70288116)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | TGF-β1 / Er:YAGレーザー / 再生療法 / MMP / HSP / COX-2 / アポトーシス / caspase-3 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,細胞増殖能や分化を制御する重要な生理活性物質であるTGF-β1に着目し,歯根膜細胞および歯髄細胞を用いてEr:YAGレーザーの低出力照射におけるTGF-β1の動態を経時的に比較検討することを目的とし,その活性化に深く関わるMMP,HSPを中心に研究を行った。また,レーザー照射によるアポトーシスや細胞増殖に関係すると考えられるCaspase-3についても調査した。さらに,アポトーシスを誘導するFas(外部経路:細胞膜)とBax(内部経路:ミトコンドリア)についての実験を行った。 歯根膜細胞において,Er:YAGレーザーの低出力照射によりMMP-2はTGF-β1を制御することで硬組織誘導に関与し,さらに,MMP-2,-3は細胞増殖を制御することから,創傷治癒に関与することが示唆された。また,レーザー照射によるアポトーシスや細胞増殖にHSP90,COX-2の遺伝子発現が密接に関わっていることが示唆された。そして,レーザー照射により細胞増殖能が上昇する作用には,Caspase-3の関与が考えられた。レーザー照射後1日目にFas,Baxの遺伝子発現が増強していたが,このことは,すでにわれわれが報告しているレーザー照射後3日目にアポトーシスのピークを迎えることを支持している。 歯髄細胞(PPU-7細胞)において,Er:YAGレーザーの低出力照射は,歯根膜細胞と同様にアポトーシスに影響を及ぼしていた。また,レーザー照射による遺伝子発現では,象牙芽細胞の分化マーカーに上昇が認められたが,骨芽細胞および軟骨細胞の分化マーカーは減少傾向にあった。さらに,PPU-7細胞におけるレーザー照射によるアポトーシス作用部位をCaspase-8,-9活性から調査した結果,外部経路,内部経路ともに有意な差を検出することはできなかった。
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Research Products
(1 results)