2018 Fiscal Year Research-status Report
メカノトランスダクションと幹細胞体内移動メカニズムを応用した組織再生法の開発
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18K09635
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤尾 正人 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (90612804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 周平 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20569785)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メカノトランスダクション / 骨再生 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験の初年度として、in vitroで歯根膜細胞、骨髄由来間葉系幹細胞に間欠的な伸展刺激を与え、細胞からどのような成長因子が分泌されるかを遺伝子レベル、タンパクレベルで解析した。伸展刺激は培養細胞伸展装置(STREX社製)を用いて行った。その結果、伸展刺激により間葉系幹細胞の集積に間接的に働く血管新生因子や骨形成を促進する液性因子の発現が遺伝子レベルでも、タンパクレベルでも上昇することがわかった。以上の結果から、間欠的な伸展刺激により、細胞から出される液性因子の構成、発現量が変わることが明らかとなった。 それらの因子を、ヒト臍帯静脈内皮細胞に適用すると、血管形成促進が認められ、ヒト骨芽細胞様細胞に適用すると石灰化を亢進させることが明らかとなった。以上の結果から、細胞から分泌された液性因子により、幹細胞遊走に重要な血管形成能が上昇する可能性が示唆された。 in vivoではマウスの頭蓋骨欠損モデルに上記の因子をコラーゲンスポンジとともに移植する実験をした。その結果、対照群と比較すると、実験群では欠損部の骨再生が促進していることが組織学的、放射線学的に明らかになった。in vitroでの実験結果が動物実験でも裏付けられた。現在、骨形成促進効果、血管新生促進効果と幹細胞の遊走、集積の関係性を解析中である。特に、血管新生との関連性について免疫組織学的に検討している。同時に、伸展刺激の条件検討を行ない、幹細胞の集積を直接的に促す因子を探索する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞に伸展刺激を与えることで、間接的にではあるが、幹細胞遊走に不可欠である因子の発現上昇が認められた。また、副次的に血管新生因子や骨形成を促進する液性因子の発現が遺伝子レベルでも、タンパクレベルでも上昇することがわかった。現在、動物実験でその効果を検証している。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験で示された結果と幹細胞集積の関係性を明らかにする。また、伸展刺激の条件検討を続けることで、より効果的な条件を明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究が順調に進み、実験に使用する物品が節約できたため。 次年度の物品費にあてる。
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Research Products
(1 results)