2022 Fiscal Year Research-status Report
α-ヒドロキシ酪酸とその代謝産物を用いた細胞分化誘導
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18K09642
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
前田 豊信 奥羽大学, 歯学部, 准教授 (10382756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 英俊 奥羽大学, 歯学部, 教授 (40275623)
加藤 靖正 奥羽大学, 歯学部, 教授 (50214408)
阿部 匡聡 奥羽大学, 歯学部, 講師 (10254872)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | GPR81 / リン |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度に、私たちが見当をつけた、GPR81とムチン4の相互作用について、検証として、初代培養を含む12種類の細胞を用いて、新たに解析を加えた。その結果、私たちの調査した範囲では、残念ながら、GPR81とムチン4の相互作用は細胞普遍的な反応でないという結果を得てしまった。この理由として、基礎的なMUC4の発現レベルの差異や、HER2遺伝子発現レベルの差異、HER2の変異やスプライシングバリアントの存在等が考えられる。しかし、依然として、その明確な答えは得られていない。 α-ヒドロキシ酪酸をはじめとするGPR81のリガンドを用いて、骨芽細胞に刺激を加えると、カルシウム活性化陰イオンチャンネルをコードしているBestrophinの遺伝子発現量が、有意に増加した。このことが、GPR81リガンドによる石灰化促進機構ではないかと考え、Bestrophin単独の作用を調べる目的で、Bestrophinが石灰化に及ぼす影響の解析を行った。その結果、骨芽細胞の培養系においてBestrophin遺伝子を、一過性に過剰発現させても、骨芽細胞の石灰化に有意な影響を及ぼさなかった。また、前駆脂肪細胞においても、脂肪滴の蓄積には有意な変化を与えなかった。その一方で、リン酸代謝に関与することが知られている、いくつかの遺伝子の発現量を有意に変化させた。この現象について、現在詳細な解析を行っている。このことは、リガンドによるGPR81の刺激は、Bestrophin遺伝子発現の増加と、その他の何らかの因子に作用することで、リン酸の取り込みを増加させ、それが石灰化を促進している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
GPR81-MUC4の関連について検証するのに、大きく時間を要した。しかし、現在は軌道修正を行い、リン酸代謝関連の解析を進めており、順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
GPR81とMUC4との関連の調査については、研究期間が予想以上に要することが予想されることから、一度中断をする。その上で、GPR81とBestrophin遺伝子の関連について解析を進めていき、本年度中の計画終了を目指す。
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Causes of Carryover |
研究分担者の死亡退職により、一部の研究において次年度使用額が生じた。ここに関して、すでに同講座の研究者を、研究連携者として確保しており、研究を進めている。
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