2019 Fiscal Year Research-status Report
モーダル解析によるオッセオインテグレーションとスクリュー連結状態の検査機器の開発
Project/Area Number |
18K09649
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮下 牧子 東北大学, 大学病院, 医員 (40814405)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30178644)
小川 徹 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (50372321)
内藤 英樹 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50361142)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | モーダル解析 / オッセオインテグレーション / スクリュー連結状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科インプラント治療においては,良好で強固な初期固定,それに続く確実なオッセオインテグレーションの獲得が重要であり,適切にその状態を把握することは,適切な荷重時期の決定やインプラントの長期安定性の獲得に繋がり,その生存率を大きく左右する.また歯科インプラント臨床上の偶発症として,アバットメントスクリューの緩みなどが挙げられ,インプラント補綴終了後のメインテナンス時にスクリューのわずかな緩みを検出できれば,予期しない上部構造の脱落や破折を未然に防ぐことができる.しかしながら,現在までのところ臨床的にインプラント植立後の初期固定からその後の新生骨の形成とインプラント体との骨結合の程度や進行度さらには経時的な変化の詳細を評価しうる客観的手法は見出されておらず,また上部構造やアバットメントの連結状態つまりスクリューの緩みを正確に検出する機器の開発には至っていない. 本研究は,インプラント体埋入から上部構造装着に至る治療過程,さらにその後のメインテナンス時において,インプラント体のオッセオインテグレーション状態ならびに上部構造連結状態をチェアサイドで簡便に評価しうる検査機器の開発を目的とし,共振周波数分析 (Resonance Frequency Analysis: RFA) およびモードシェイプ特性や振動減衰特性を用いて物体の動的特性を多角的評価するモーダル解析を応用して, インプラント・オッセオインテグレーションの進行度や状態の詳細,上部構造装着後のアバットメント連結状態を評価する. 昨年度は,ウサギ脛骨インプラント埋入モデルにて,共振周波数分析装置を用いてインプラントに低周波から高周波の微弱振動を与えた際の変位を時系列波形として経時的に記録し,高速フーリエ変換(FFT)にて共振周波数へ変換した. 屠殺後,スクリューの緩みの異なる条件での時系列波形を記録し,共振周波数へ変換した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モーダルパラメータの抽出に,当初の計画よりも時間を要してしまった. 昨年度は,ウサギ脛骨インプラント埋入モデルにて, インプラント周囲骨の各治癒過程の共振周波数分析および様々な条件下でのアバットメント連結状態の共振周波数分析まで行い,現在,動物実験により得られた固有振動特性を用い,モーダル解析を実施し,動的特性・減衰特性について比較検討中である.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は,昨年度に有限要素解析にて算出したモーダルパラメータおよび動物実験により得られた固有振動特性を用い,モーダル解析を実施し,動的特性・減衰特性を検索する. その後,インプラント周囲骨の骨密度の指標として,マイクロCT撮影を行う.マイクロCT画像解析終了後,各インプラントの非脱灰標本を作製し,組織学的観察を行い,オッセオインテグレーションの進行過程に対応したモーダル解析の生物学的評価との関連性・測定の妥当性の検証を行う.
|
Causes of Carryover |
(理由)当初計画していた今年度の実験が効率的に進行したことに伴い発生した未使用額であり, 次年度の研究遂行により使用する予定である. (使用計画)当初予定していた各種実験器具の購入, マイクロCT撮影・画像解析, 非脱灰標本作製, 組織形態学的評価, 研究打ち合わせおよび研究成果発表旅費として使用予定である.
|