2019 Fiscal Year Research-status Report
大規模疫学調査による欠損パターンの推移と口腔機能,QOL,全身状態との関連
Project/Area Number |
18K09658
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 謙一 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (80448109)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歯の欠損パターン / 歯の喪失 / 大規模データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では大人数の地域在住高齢者を対象に、調査から得られた縦断的データを用いて欠損部位やパターンの変化について検討するとともに、欠損パターンと口腔機能、QOLや全身状態との変化や関連を検討することを目的としている。分析対象のデータには、SONIC研究ですでに調査を終了している対象者の70歳から90歳までの各年齢群のデータに加えて、新たな調査を実施し、2019年度は550名(男性272名、女性278名)のデータ収集を行うことができた。 さらに、令和元年度日本補綴歯科学会関西支部学術大会にて、”高齢期における歯の喪失と咬合支持との関連”というタイトルで、これまでに得られた約2000名の高齢者の歯列データをデータ化し、追跡調査にも参加した約900名のデータを用いて歯の喪失リスク因子について、一般化線形モデルを用いて検討を行った成果について、発表を行った。さらに、国際雑誌であるCommunity Dentistry and Oral Epidemiologyに、”Occlusal support predicts tooth loss in older Japanese people.”が掲載された。同論文の内容を以下に簡潔に示す。これまで収集した口腔検査データから、咬合支持の状態が、歯の喪失に及ぼす影響について検討を行った。ロジスティック回帰分析により、平均プローブ深さ(オッズ比[OR] = 5.70、95%信頼区間[CI] = 2.70-12.04、P < 0.01)および臼歯部咬合支持状態(参照 = Eichner class A; Eichner B1-3、OR = 4.33、95%CI = 1.54-12.17、P < 0.01; Eichner B4 or C、OR = 6.16、95%CI = 1.17-32.44、P = 0.03)は、6年後の4本以上の歯の損失と有意に関連していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年度目に予定した新たなデータ収集は無事に全日程終了することが出来たため、順調であると言える。 また、学会発表および国際誌に欠損状態が、歯の喪失に与える影響について報告することができた。学内外を含めて周知できたことは非常に意義深いと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も新たに高齢者データの収集を行っていく予定である。さらに、新たな得られた成果について、学会発表・論文発表等を行っていく予定である。
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