2019 Fiscal Year Research-status Report
予知性の高い垂直的骨造成に向けた外側性欠損における骨代謝機構の解析
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18K09659
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
萱島 浩輝 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (50632121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江草 宏 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30379078)
矢谷 博文 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (80174530)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
安全かつ確実に骨欠損を再生する骨造成法として,骨補填材および成長因子を用いた骨造成法ならびに,幹細胞を用いたバイオエンジニアリングによる骨造成法の開発が期待されている。しかしながら,移植後の造成骨に関する統一した見解は十分ではなく,多面的な評価ならびに解析を行うことが求められている。それを背景に近年,骨密度とともに骨の強度に関与する因子として骨質に注目が集まっている。骨強度予測には,従来から用いられている骨密度だけでは不十分であり,それ以外の骨強度を表す指標となる骨質パラメーターの探索が重要である。本研究の目的は,骨移植材およびCAD/CAMモールドにて体積を規定して造成した造成骨を,これまでのマイクロスケールによる解析に加え,ナノスケールによる骨質解析を行うことによって,造成骨における骨代謝機構を解明し,垂直的造成技術の開発へ向けた新たな指標となる基盤技術を確立することである. 平成31年(令和元年)度は,前年度に確立したチタンドームを用いた垂直的骨造成モデルに,β-TCPに加え,BBM(Bio-Oss),炭酸アパタイトの各種骨補填材を用いて,垂直的骨造成を行い,造成骨の多面的な解析をマイクロCT解析および組織学的評価(H-E染色ならびに複屈折顕微鏡解析)を用いて行った。その結果,すべての骨補填材で垂直的骨造成が可能であったものの,補填材間でコラーゲン配向に違いがあることが明らかとなり,本モデルは造成骨の多面的な評価に有用であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この計画で立案した,CAD/CAMにて作製したチタンドームを用いた外側性の垂直的骨造成評価モデルを確立でき,さらに吸収性、非吸収性の骨補填材を用いた造成骨の多面的解析が可能となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
骨補填材を用いて作製した造成骨の力学的強度測定などの骨質解析をさらに進めていく予定である。さらに,モールドデザインを検討し,コラーゲン配向が制御可能かどうか検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究は概ね順調ではあるが、配向解析に必要な力学的強度の測定を追加で行う必要ができたため。
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