2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の「食」に対する客観的疲労感と満足度から摂食嚥下指導の評価指標を再構築する
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18K09667
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
石田 瞭 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00327933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 聡大 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (00444654)
杉山 哲也 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (50216347)
大久保 真衣 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (60385218)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 要介護高齢者 / 脈波計 / NIRS / 摂食嚥下障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
要介護高齢者に対する摂食指導では、スクリーニング検査や食事中の外部観察によりアセスメントを行うが、誤嚥のリスクマネジメントは出来ても、対象者に低栄養につながる食事摂取による負担が生じているのか、疲労度の観点から客観的な情報を可視化することは難しい。本研究では加速度脈波測定器(脈波計)ならびに近赤外光トポグラフィー(NIRS)測定に着目し、双方の機器併用による分析から摂食嚥下機能の評価、とりわけ食事に伴う高齢者の負担、ストレス(疲労度)の客観的評価法の確立を目的とする。 脈波計とNIRSを同期の上、各種負荷に対する応答を評価し、機器の特性について検証する予備研究を行うために、東京歯科大学倫理委員会の承認を得た。20~30代の健康成人50名を対象とし、食事場面で想定される軽負荷(常温水100mlの連続嚥下、ゼリー状食物摂取、硬性食物摂取)に対する変化を両機器により計測する。摂取順はランダムとする。対象者には予め摂食嚥下機能の主観的評価のため、EAT-10、感覚プロファイル調査を実施する。椅子座位にて脈波計センサーを利き手ではない人差し指にはさむと同時に、サンバイザータイプNIRSを前額面から左右側頭部にかけて装着する。各対象者にそれぞれ2試行し、得られた脈波と脳血流データは加算平均し、個人データとする。安静時ならびに負荷後の自律神経系および脳血流量をもとに、客観的な疲労度評価法として確立をめざす。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
倫理委員会承認を受け必要備品購入済みで、測定環境が整い、健康成人を対象とした予備研究を実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
健康高齢者30名を対象に、EAT-10を用いて摂食嚥下機能の自己評価を実施する。摂食嚥下機能の自己認知とNIRS測定値から、食物摂取時における負担度、疲労度を客観的に評価する。また年代による老化要因について検討する。更に安静時ならびに、かたさが異なる2種の食物摂取後の計測を上記方法により実施する。咬合状態による違いをも加えて考察する。 摂食嚥下障害を有する高齢者30名を対象に、同様の計測を可能な範囲で実施し、食事に伴う疲労度合いを可視化し、要介護高齢者が安全に食事を摂るための方策を明らかにするとともに、摂食嚥下指導時の新たな評価指標としての構築をはかる。
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Causes of Carryover |
想定した交付額が異なり、予定していた機器のタイプを変更したため。今年度は消耗品の物品費、人件費等への使用を予定している。
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