2019 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋fMRIを用いた舌内部における筋機能分布の3次元解析
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18K09675
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 哲史 東北大学, 大学病院, 講師 (50400263)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 舌 / mfMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに行った解析では、頭頚部のテンプレート画像としてIXI画像データベースから作製されたものを使用したが、実際の被験者から撮像された頭頚部MR画像と比較して形態の差異が大きいために、空間的標準化の精度に限界があった。そこで当該年度では、被験者の解剖学的情報が豊富なTE=20ms画像から独自のテンプレート画像を作製し、そのテンプレート画像に対して空間的標準化を行うことで、解析精度の向上を図った。 テンプレート作製には、Advanced Normalization Tools (ANTs)パッケージに含まれるbuildtemplateparallel.shスクリプトを使用した。作製したテンプレートに対して、各被検者のTE=20ms画像をnonlinear registrationし、算出されたtransformationのパラメータを、各被験者のTE=20ms画像から作製した咀嚼筋マスク画像に適用して得られた画像と、独自の頭頚部テンプレートから作製した咀嚼筋マスク画像を比較解析することでDice similarity coefficient (DSC)を算出した。 その結果、咀嚼筋の解析においては、独自テンプレートを使用することで空間的標準化の精度が向上することが確認された。しかし、この結果がそのまま舌についても適用可能であるかは未検証であるため、実際に舌運動を対象として撮像した画像でも検証する必要がある。 次年度には、舌運動を対象とした撮像を多数行いMR画像を蓄積し、独自テンプレートを作製してから舌内部の筋活動解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
舌の解析を高精度で行うために、空間的標準化の精度を向上させるべく独自テンプレートの作製とその効果の検証を行った。実際の舌運動を対象としたMRI撮像は未実施であるため、本研究課題の進捗は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
異なるテンプレートを使用する複数の解析方法が確立されたため、次年度からは本研究課題の対象である舌のMRI撮像と解析を複数の方法で行い、舌の解析に最も適した手法で研究を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
舌運動を対象としたMRI撮像を行う前に空間的標準化の精度を向上させる目的で、過去に撮像した画像を利用して独自テンプレート画像の作製を行ったため、MRI撮像に関わる費用が不要となり、次年度使用額が発生した。次年度からは、本研究課題の目的である舌運動を対象としたMRI撮像と解析を開始するため、次年度使用額はMRI撮像に関連する機材の購入やMR装置の使用料にあてる予定である。
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