2019 Fiscal Year Research-status Report
変形性関節症の発症予防を目指したWISP遺伝子の機能解析
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18K09682
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前田 あずさ 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (70754662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (60613156)
ハラ エミリオ・サトシ 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40779443)
吉岡 裕也 岡山大学, 大学病院, 医員 (20782014) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / WISP1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,国民が要支援となる最大の原因となっている変形性関節症 (OA) の原因遺伝子のひとつであると考えられているWISP1に着目し,OAの発症メカニズムを解明することで治療法ならびに予防法を確立することを目的としているが,前年度までに3種類のOAモデルマウス,すなわち ①加齢モデル,②機械的負荷モデル,③炎症誘発モデル の作製に成功した. 野生型とWISP1遺伝子欠損マウスを用いて機械的負荷モデルと炎症誘発モデルマウスを作製後,回収した膝関節から作製した組織切片をサフラニンO染色した後に,OA重症度の半定量的評価 (OARSIスコア) を行ったところ,野生型と比較してWISP1遺伝子欠損マウスではOARSIスコアが低い値を示しており,WISP1遺伝子が欠損することでOA誘発に伴う関節軟骨の破壊が抑制されていることが確認された.そこで,WISP1遺伝子欠損マウスでのOA重症化抑制に関わる因子を調べるため,膝関節腔内にコラゲナーゼを注射することでOAを誘発する炎症誘発モデルを3か月齢の野生型ならびにWISP1遺伝子欠損マウスを用いて作製し,7日後に回収した滑膜組織からRNAを抽出,リアルタイムRT-PCRを行い,軟骨基質破壊に関連する遺伝子の発現レベルを調べた.その結果,細胞外マトリックスの分解に関わるmmp3, mmp9, adamts4, adamts5の遺伝子発現量がWISP1遺伝子欠損マウスで低下していた. 以上より,WISP1がMMPやADAMTSといった細胞外マトリックス分解酵素の分泌を促進することで,OAを悪化させている可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
WISP1遺伝子欠損マウスを用いて作製した変形性関節症 (OA) モデルマウスにおいて,野生型と比較して変形性関節症の進行度が低下していること,その背景にWISP1遺伝子の欠損下では軟骨基質分解因子の発現量が低下していることが明らかとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
WISP1遺伝子欠損マウスを用いて作製した変形性関節症 (OA) モデルマウスでは,野生型と比較してOAの進行度が低下していること,その背景にWISP1遺伝子の欠損下では軟骨基質分解酵素の発現量が低下していることが明らかとなったため,今後は関連遺伝子の発現量の解析を行いより詳細な制御メカニズムの解明を行う予定である.
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Causes of Carryover |
今年度参加を予定していたものの参加が中止となった学会があったため為,次年度使用額が生じた.当該予算は,次年度実施する学会発表の旅費に充当する予定である.
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