2019 Fiscal Year Research-status Report
補綴治療がもたらす咀嚼行動変容 ―ウェアラブルデバイスを用いた食事モニタリング―
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18K09697
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
堀 一浩 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70379080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 高裕 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30204241)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 咀嚼 / 咀嚼回数 / 補綴装置 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで,咀嚼機能の評価において咀嚼能率検査,顎運動検査,アンケート調査などが行われてきた.しかし,いずれも主観的な評価であるか診療室での評価であり,普段の食事における咀嚼を客観的に評価するものではない.我々は耳にかけるだけで咀嚼運動を計測可能なウェアラブル型の咀嚼行動モニタリングシステム(バイトスキャン)を開発している.本研究課題では,この新型咀嚼計を用いて普段の食事における咀嚼行動を観察し,習慣的な咀嚼回数,補綴治療による咀嚼行動変容,要介護高齢者における調整食の選択と咀嚼行動の実態を明らかにすることを目的とする. 本年はまず、健常成人10名(男性6名、女性4名、平均年齢28.6±2.5歳)を対象に、バイトスキャンと既存の顎運動計測装置と同時測定を行い、その信頼性を検討した。その結果、バイトスキャンで計測した咀嚼回数(咀嚼回数率)は、顎運動計測装置で計測した咀嚼回数の平均101.1±15.4%であり、平均外れ率は11.1±10.8%、感度および的中率はそれぞれ83.6±11.6%、83.5±9.7%であった。したがって、バイトスキャンは咀嚼回数を精度よくカウントできることが示された。 さらに,日常的な咀嚼回数を調査するため,468名の高齢者を含む成人(男性236名,女性232名,平均年齢42.5±17.9歳)を対象に,おにぎり1個(100g)摂取時の咀嚼回数を調査した.その結果,おにぎり1個の平均咀嚼回数217.3±102.3回であった.咀嚼回数は,男性が女性と比べて有意に多かったが,年代別の違いは見られなかった.一方,咀嚼能率は高齢者は有意に小さく,女性は有意に小さかった.この結果は,補綴装置装着前後の咀嚼回数計測の基準となるものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,測定装置の基本的な精度を検証することができた.また,年代別の咀嚼行動の特徴を明らかにすることができた.さらに,補綴装置装着前後の咀嚼行動・咀嚼能率の変化について調査するため,本学倫理委員会に研究計画を申請し,承認を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,有床義歯治療前後の咀嚼運動測定を行う予定である.具体的には,新潟大学医歯学総合病院義歯診療科にて有床義歯治療を行う患者を対象とし,有床義歯治療前,および有床義歯装着し初期調整終了後に調査を行う.主評価項目は咀嚼回数,咀嚼スピード,取り込み回数,一口当たりの咀嚼回数,食事時間とする.副評価項目として,グミゼリーを用いた咀嚼能率検査,咬合力測定,食事量,食生活・生活習慣に関するアンケートを採得する.咀嚼回数計を1週間患者に貸し出して普段の食事中に装着してもらい,主評価項目を測定する.また,副評価項目は,診療室にて測定する予定である.
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Causes of Carryover |
既存の測定装置を使用することができたため,次年度使用額が生じた.次年度には,測定が本格化するために測定に使用する消耗品での支出が増える予定である.また,本年度の成果を先に論文化する予定としている.
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Research Products
(11 results)