2018 Fiscal Year Research-status Report
骨代謝分析と臨床栄養学的アプローチによる新規インプラント治療ストラテジーの構築
Project/Area Number |
18K09705
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
正木 千尋 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (60397940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 祐介 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00611287)
柄 慎太郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (20759386)
細川 隆司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60211546)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ビタミンK / 骨代謝 / インプラント / 骨質 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔インプラント治療においては術前CT検査を用いた骨密度しか評価されておらず,骨代謝に関する客観的評価法はいまだ確立されていないのが現状である.さらに近年,ビタミンKなどの栄養状態を管理することにより良好な骨質を維持し,脆弱性骨折を予防することが可能であると報告されているものの,顎骨において栄養状態に起因する顎骨の骨代謝異常が生じるのかについては全く分かっていない.そこで本研究では,ビタミンKなどの栄養不足が顎骨の骨質にどのような影響を及ぼすかについて微小構造解析を用いて詳細に検討することを目的とした.平成30年度はまず,ビタミンK摂取による骨代謝マーカーへの影響を検討するため,ボランティア10名(女性5名,男性5名,平均年齢23.8歳)に対し,納豆摂取に関するクロスオーバー研究を行った.納豆摂取は50g/dayとし,1週間毎日納豆した後と1週間納豆や発酵食品の摂取を禁止した後に血液検査を行い,骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ(TRAP-5b),総オステオカルシン,低カルボキシル化Osteocalcinなどの骨代謝マーカーの測定を行った.その結果,破骨細胞マーカーであるTRAP-5bや骨基質タンパクであるOsteocalcinの総量は納豆の影響を全く受けなかったものの,非活性型OsteocalcinであるucOCに関しては納豆摂取により,減少傾向が認められ,総Osteocalcinに対するucOCの割合は納豆摂取により有意に減少した.以上より,納豆に含まれるビタミンK2がOsteocalcinのGla化を促進する可能性が明らかとなった.また,ベースラインにおいてucOCが高い被験者ほどその効果が顕著である可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた実験計画に合わせて,順調に経過している.ビタミンK2摂取による骨代謝への影響が明らかとなったため,予定通り今後は動物実験を行っていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はWistar系雌性ラットを用いて閉経後骨粗鬆症モデルに対するビタミンK2の影響を検討する予定である.現在条件決めの実験を行っており,今後ビタミンK摂取が骨質に及ぼす影響を明らかにする予定である.
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