2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K09708
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
佐藤 裕二 昭和大学, 歯学部, 教授 (70187251)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 昇 昭和大学, 歯学部, 准教授 (80177831)
下平 修 昭和大学, 歯学部, 講師 (30235684)
七田 俊晴 昭和大学, 歯学部, 講師 (70307057)
桑澤 実希 昭和大学, 歯学部, 助教 (10343500)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 咀嚼機能評価 / 高齢者歯科 / 評価用紙 / 主観的評価法 |
Outline of Annual Research Achievements |
交付申請書に記載した「研究の目的」は、高齢期の口腔機能を維持することは健康寿命を延長させるためにも重要である。近年、口腔機能低下症の患者の増加が問題となり、日本老年歯科医学会では、口腔機能低下症に関するポジションペーパーを発表し、咀嚼機能については、グミゼリーを用いた検査(グルコセンサーGS-Ⅱ )を提言した。 ただし、機器がない場合には、残存歯数を代替検査法とした。しかしながら,単に残存歯数で咀嚼機能を評価することは、咀嚼機能評価としての妥当性に大きな疑問がある。また、いくつもの主観的咀嚼機能検査法が乱立し、その結果の相互比較が困難であり、十分に普及しているとは言えない。そこで、機器などを用いずに行うことができる【質問紙法を用いた各種咀嚼機能評価法の標準化の検討】することを目指した。 これに対する進捗状況としては、当初の計画では200名のデータを取得予定であったが、実際には189名のデータを用いて、研究を行うことになった。 現在は、【妥当性の検証】を・客観的咀嚼機能評価法との比較・咀嚼に関する満足との比較・回答困難な食品の割合についての検証を行っている。また【信頼性】については・その再現性についての調査を行っている。【簡便さ】については、作成した主観的咀嚼機能検査表の記入のしやすさやすべての方が理解できるような書式になっているかなどの検討や・検査・分析に必要な時間・被検者による感想などを調査し検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H30~31年度にかけて、5種類の主観的咀嚼機能評価法によるデータ収集および同意が得られた本学歯科病院高齢者歯科受診者189名のデータ取得は終了しており、現在はデータの解析と分析を行っている段階である。当初の予定であった200症例には達していないが、今回の取得データ数はその9割となっていることから結果に及ぼす影響は少ないと考えられる。さらに、2019年12月に東京品川で行われた第23回日本補綴歯科学会東京支部学術大会において、“3つの代表的な主観的咀嚼機能検査の比較”内田淑喜,佐藤裕二,北川 昇ほかの発表を行った。今回の研究の目的でもある機器などを用いずに行うことができる【質問紙を用いた各種咀嚼機能評価法の標準化】を行うための下準備として既に世の中にある咀嚼機能評価表を検討する意味でも有意義であったと思われる。また、今回の研究に関連した論文投稿として、佐藤裕二,北川 昇,七田俊晴,畑中幸子,内田淑喜:新たに医療保険に導入された口腔機能低下症の検査・管理の実施状況:老年歯科医学 (34) 3:415-421, 2019. 12.31 佐藤裕二,北川 昇,七田俊晴:社会医療診療行為別調査からみた新規導入補綴関連検査の実施状況:日本補綴歯科学会誌 (12) 1:61-66, 2020. 2.15の2編の論文投稿を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の進捗方策については、主観的咀嚼機能評価法の閾値の策定を行っていく予定である。現在の口腔機能低下症の検査の中には主観的咀嚼機能検査は導入されていない。咀嚼の審査にはグミゼリーを用いたグルコセンサーやグミゼリーの咀嚼状況から視覚的に審査する方法などがある。しかし、認知機能が落ちた患者や咀嚼自体が難しい患者にはこのどちらの方法も使用することは難しい。そこで主観的咀嚼機能検査の有用性が実証できれば多くの患者に検査を行うことができる。そのためにも開発した主観的咀嚼機能検査表の閾値の策定(どの値であれば口腔機能低下症と判断されるか)は、重要であると考える。 さらに、多くの方にこの評価表を知っていただくためにも海外の学術大会での発表や論文投稿も行っていきたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:本来であれば2020年3月に行われる予定であった、IADR/AADR/CADR General Session & Exhibition scheduled for March 18-21, 2020 in Washington, DC, USAに参加予定であったが、新型コロナウィルスの影響で学会が中止されたために次年度使用額が発生してしまった。 使用計画:来年度以降の国際学会への参加を予定している。
|
Research Products
(7 results)