2018 Fiscal Year Research-status Report
診療室で使用できる下顎運動シミュレーションシステムの開発と応用
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18K09711
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
小見野 真梨恵 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (60807460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 博 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50226114)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 下顎運動シミュレーションシステム / 下顎運動 / 上下歯列形状データ / 口腔外3Dスキャン装置 / 咬合接触状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床の場で用いることができる下顎運動シミュレーションシステムの開発には、臨床の場で簡便かつ正確に下顎運動データと 上下顎歯列形状データを記録することが必須である。下顎運動時の上下顎歯列の視覚表示を行う研究がなされ、バーチャル咬合器も紹介されてはいるが、実際に使用してみると、引き抜き試験での咬合接触と一致していないことから、信頼できる精度で再現できるまでには至っていない。本研究は、側方滑走運動や咀嚼運動時の上下顎歯列の状態を実際の口腔内の状態と同じように観察することができ、かつ評価できる、口腔外スキャン装置による下顎運動シミュレーションシステムを開発後、下顎運動時の上下顎歯列の咬合接触状態の定量的分析を行うことを目的とする。 小型・軽量の6自由度顎運動記録システムを用いて20代の健常被験者5名の下顎運動を記録し、運動データを保存した。各被験者の上下顎歯列を精密印象採得して得られた上下顎歯列模型を咬頭嵌合位で咬合器に付着後、口腔外3Dスキャン装置を用いてスキャンし、上下歯列データを保存した。次いで、記録した下顎運動データと上下顎歯列形状データを用いて下顎運動をシミュレーションできるプログラムの開発を行なった。 6自由度顎運動記録システムによる下顎運動データと口腔外3Dスキャン装置による上下歯列形状データをコンピュータに保存し、かつ両データを統合することができた。統合データを用いた全歯列の下顎運動の再現は、歯列形状の3次元コンピュータモデル上で行い、全歯列の前方、側方、後方、上方、下方の任意の視点方向からの運動の再現、咀嚼運動時や側方滑走運動時に咬合接触している部分の表示ができるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
下顎運動シミュレーションプログラムⅠの開発に時間を要し、平成30年度は記録した下顎運動データと上下顎歯列形状データを用いて下顎運動をシミュレーションできるプログラムの開発までとなり、側方滑走運動時の咬合接触状態と下顎運動シミュレーション結果の比較検討が令和元年度にずれ込んでしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年4月~6月:下顎運動シミュレーション結果の比較検討を行う。 令和元年7月~:下顎運動シミュレーションプログラムⅡを開発する。
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Causes of Carryover |
(理由)口腔外3Dスキャン装置による下顎運動シミュレーションプログラムⅠの開発に時間を要し、側方滑走運動時の咬合接触状態と下顎運動シミュレーション結果の比較検討を行えなかったため。
(使用計画)インジェクションタイプのシリコーン印象材とデータ保存用ディスクを購入し、被験者の記録を行うために使用予定である。
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