2019 Fiscal Year Research-status Report
軽量で金属のアレルギーの少ない患者重視型新義歯の開発
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18K09712
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
岡崎 定司 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (80169094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小正 聡 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70632066)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PEEK / 義歯 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の歯科治療には,患者からの審美面に対する要求や金属アレルギーに対する問題から,ジルコニアをはじめとしたオールセラミック修復が広く用いられている.一般的に使用される部分床義歯のクラスプは,審美性に劣り,金属アレルギーの場合には使用できないことから,レジンコーティング法やノンクラスプ義歯等の様々な材料や工夫が検討されているが不明確な部分が多い。申請者はこれまでナノジルコニアを使用した新規義歯材料の開発に携わってきた。近年、機能性と審美性を兼ね備えた材料としてポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が登場した。本申請研究は高性能ポリマーであるPEEKを利用し、今までにない軽量で金属アレルギーの少ない義歯の製作に取り組むことを目的とする。 ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は耐熱性、耐薬品性、耐熱水性、難燃性、力学特性、電気特性に優れた最高の性能を有する熱可塑性樹脂である。芳香族ポリエーテルケトン(PAEK)類はベンゼン環をエーテル基とケトン基で結合した構造で、PEEKをはじめPEK、PEKK、PEEKK、PEKEKKなどがあるが、いずれも半結晶性のポリマーでPEEK同様の優れた性能を有している。しかし、PEEKが加工温度、物性、コストの点で総合的に優れるため市場をほぼ独占している。その優れた物性に着目し、宇宙・航空、自動車、エネルギー/工業、エレクトロニクス、メディカル分野の先端用途が拡大している。しかし、歯科界としての参入はまだわずかで、インプラント材料を含め、PEEKはあらゆる点でこれからの歯科界をリードする材料になりうる可能性がある。本申請研究は高性能ポリマーであるPEEKを利用し、今までにない軽量で金属アレルギーの少ない義歯の製作に取り組むことを目的とする。本年度は片側遊離端症例に対し、PEEK使用設計の義歯完成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
来年度、患者様に対し設計を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
PEEKを使用した義歯の作製には成功した。しかし、臨床症例に適応できるかはまだ不安がある。そこで次年度は様々な臨床症例に対し、PEEKによる義歯設計に挑戦する。
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Causes of Carryover |
PEEK材料の発注が年度末となり、支払いが次年度となったため。
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