2020 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of biomaterials expected to control bone quality in the elderly and application to implants
Project/Area Number |
18K09713
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
楠本 哲次 大阪歯科大学, 医療保健学部, 教授 (70186394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小正 裕 大阪歯科大学, 医療保健学部, 教授 (10131385)
小正 聡 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70632066)
岡崎 定司 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (80169094)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PEEK / ナノ構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、超高齢社会の到来により、生涯歯科治療が重要視されている。無歯顎患者に対するインプラント治療も一つの選択肢であるが問題点も多い。骨質や全身疾患の観点から考えると純チタン金属の使用にはやや不安感が残る。ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone、PEEK)はそのX線透過性や人体骨と相似する弾性等の特性から整形外科および歯科用インプラントで使用されているものの、その相対的に低い生体適合性および特殊構造のない表面からオッセオインテグレーションの短期化が難しいと評価される。申請者は,これまで純チタン金属及びチタン合金へ濃アルカリ修飾を施すことで,各種金属表面にナノ構造を析出させ,親水性を付与し,ラットの骨髄間葉細胞の硬組織分化誘導能を向上させることを明らかにした。そこで,本研究ではチタンをコーティングしたPEEKへ濃アルカリ処理を施すことにより高齢者に対する生涯歯科治療を重要視した新規インプラント材料の創製を目指す。SEMの所見では,濃アルカリ処理前で滑らかな像が観察されるのに対し,濃アルカリ処理を施した群ではナノレベルネットワーク構造が観察された。SPMの所見では濃アルカリ処理前で滑らかな像が観察されるのに対し,濃アルカリ処理を施した群ではナノメーターレベルのノジュール構造が観察された。ラット骨髄細胞の24時間後の細胞接着を検討したところ、全ての群で細胞の接着を認めたが、ナノ構造を析出した群で最も高い細胞の接着ならびに細胞突起の伸長を認めた。また、ALP活性ならびにカルシウム析出量においてもナノ構造を析出した群で最も高い値を示した。以上の結果により、プラズマ処理により純チタン金属をコーティングし、ナノ構造を析出したPEEK材料表面が高い硬組織分化誘導能を示す可能性の一端が示された。
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Research Products
(7 results)