2018 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌幹細胞の同定と癌幹細胞の細胞周期維持逸脱による新規癌根絶戦略の開発
Project/Area Number |
18K09716
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
中田 憲 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (50400510)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 雅幸 秋田大学, 医学部附属病院, 准教授 (20272049)
今野 泰典 秋田大学, 医学部附属病院, 医員 (50581162)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 口腔癌 / 癌幹細胞 / 細胞周期 / 癌治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌治療の抵抗性の原因は,癌幹細胞にあると考えられている.近年,口腔癌の癌幹細胞に関する基礎的研究が国内外で活発に行われるようになり,新しい癌幹細胞の治療抵抗性に係る分子が報告されつつあるが,未だ癌幹細胞を標的とした治療法の開発には至っていないのが現状である.その要因の一つは,口腔癌幹細胞の同定に至っておらず,周囲の微小環境(癌幹細胞ニッチ)に関しても不明な点が多いことである.そこで癌幹細胞の性質である「細胞周期の静止性」を解明し,癌幹細胞を標的とした新しい癌治療法の確立には,癌幹細胞を分離・同定し,特性を明らかにすることが非常に重要である. 本研究では,口腔癌の癌幹細胞の分離・同定を試み,細胞周期G0期維持因子を特定する.次に,G0期を維持する分子や癌幹細胞ニッチ構築を阻害して,癌幹細胞の細胞周期を再活性化すれば従来の化学療法や放射線治療による効果が期待され,G0期維持因子阻害剤を用いて口腔癌幹細胞を標的とした新たな癌治療法の開発が目的である. 本年度は,抗癌剤や放射線で治療されたが腫瘍が残存している口腔癌患者の臨床検体と前治療なしに手術を受けた患者の臨床検体をDNAマイクロアレイで解析し,遺伝子の発現の違いを比較することで,口腔癌幹細胞マーカーやG0期維持因子を明らかにすることを計画していた.しかし,抗癌剤や放射線で治療されたが腫瘍が残存している口腔癌患者の臨床検体数が少なく,十分な解析に至っていない.
|