2020 Fiscal Year Research-status Report
組織再生を誘導する生体シグナルにおけるマクロファージ・エクソソームの役割
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18K09738
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 夕子 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50466744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 牧子 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (60802395)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30344451)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 組織再生 / マクロファージ / エクソソーム / 軟骨再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
再生医療において長期的な組織成熟や安定化を実現するためには、移植後の組織反応を把握し制御していく必要がある。これまでの検討で、耳介軟骨細胞とポリ乳酸足場素材で構成される再生軟骨組織をマウスへ移植すると、再生軟骨の成熟が進行する移植後1-2週にかけて、マクロファージの局在が著しく増加し、特に組織修復性マクロファージが優位になることが観察された。更に、軟骨細胞とマクロファージを共培養すると、軟骨細胞における軟骨分化マーカーの発現が上昇することから、再生軟骨組織の成熟過程は、マクロファージと軟骨細胞の相互作用により進行していく可能性が示唆される。本研究では、細胞間コミュニケーション機構として強力な作用を発揮するエクソソームに焦点をあて、再生軟骨移植に関わるエクソソームの特性を網羅的に解析することにより、軟骨再生医療の長年の課題となっている生体内組織成熟メカニズムを解明することを目指している。 本年度も引き続き、軟骨細胞やマクロファージの培養で分泌されるエクソソームの特性を評価した。軟骨細胞やマクロファージそれぞれの培養上清、および軟骨細胞とマクロファージの共培養で得られた培養上清を回収し、エクソソームを精製した。マクロファージは炎症性(M1)と抗炎症性(M2)に大別されるため、共培養の実験では培養日数や細胞比率を変えることに加え、マクロファージの特性も変化させた培養条件でのエクソソームを準備した。得られたエクソソームを、軟骨細胞やマクロファージの培養に添加し、遺伝子発現の変化をrealtime PCRで解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により大学での研究活動が制約され、実験が行えない時期があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
予定どおり培養条件を細かく検討しながらエクソソームを精製し、目的とする培養条件を選定する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイウルスの影響もあって研究の進捗が遅れており、次年度に研究を繰り越すこととなったため。
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Research Products
(2 results)