2020 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of novel radiosensitization targeting radiation-induced cell kinetics in oral cancer cell lines
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18K09739
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
戒田 篤志 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (40632097)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 細胞周期動態 / G2アレスト / ライブイメージング / ケミカルスクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、未だ臨床において標的となり得ていない細胞周期チェックポイント、特に放射線照射後にG2/Mチェックポイントの活性化に伴い生じるG2アレスト動態に着目し、このG2アレスト動態を修飾し、なおかつ、口腔がんにおいて放射線増感効果をもたらす新規薬剤を同定することが主な目的としている。そこで私たちは細胞周期を生細胞にて可視化し得るFucci(Fluorescent Ubiquitiation-based Cell Cycle Indicator)を導入した癌細胞と機能既知化合物より構成された化合物ライブラリーを用い、ケミカルスクリーニングを行った。その結果、放射線照射後のG2アレストを修飾する可能性のある複数の化合物を抽出した。その中でも私たちは化合物Xについて着目し検討を進めたが、前年度、化合物ライブラリーとは起源の異なるが、化合物Xと同種の市販の化合物Xを購入したところ、スクリーニング結果とは異なる結果が得られたため、今年度は改めてライブラリーと同起源の化合物を使用し、さらにスクリーニングで用いた細胞とは異なる癌細胞株を用い、スクリーニング結果の再現性について検討した。フローサイトメトリーならびに蛍光顕微鏡を用いた観察の結果、放射線照射後のG2アレストを延長させる結果が得られたことから、少なくとも化合物ライブラリー由来の化合物Xについては、複数の癌細胞株において放射線照射後のG2アレストを遷延することが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、予定した研究計画の大幅な見直しが迫られた。そのため、当初の計画と比べて、研究の進捗が遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、化合物Xを用いて放射線感受性への影響を検討していく上では、ライブラリーと同等の薬効をもった化合物Xを新規に購入、または合成する必要がある。しかし、これまでに購入した化合物Xでは同様の効果が認められなかったため、複数の別ルートからの購入について検討し、ライブラリーと同様に機能する化合物Xを見出す予定である。また、化合物X以外の薬剤についてももう一度スクリーニング結果を見直し、その可能性について検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のまん延により、実験計画の大幅な遅延が生じた。そのため、本研究課題の延長を行い、次年度に残りの助成金を基に遅延分の実験を実施する予定である。
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