2020 Fiscal Year Annual Research Report
Hypoxia-responsive CD73 promotes the growth and migration of pleomorphic adenoma cells
Project/Area Number |
18K09740
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
丸山 智 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30397161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 学 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10547516)
田沼 順一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20305139)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 唾液腺多形腺腫 / 低酸素 / HIF-1α / CD73 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) CD73の発現動態及び腫瘍細胞の機能評価: CD73がSM-AP細胞系の機能にどのように関わっているのかを検討するために、siRNAを用いてCD73の発現を抑制したSM-AP細胞系を作成し、細胞増殖能の比較検討をおこなった。その結果、siRNAでSM-AP1/4細胞系のCD73の発現を抑制したうえで、細胞を同量にまきなおした後の3日間の細胞増殖を比較したところ、SM-AP1及びSM-AP4ともに、CD73の発現を抑制した細胞の増殖が、コントロールに比して抑制されることが示された。 2)ヒト腫瘍組織材料を用いた組織学的解析: ヒト多形腺腫組織手術材料パラフィンブロックから切片を作製し、免疫組織化学的染色にてCD73および細胞増殖関連液性因子の網羅的解析にて低酸素培養条件下で発現の増加が認められたemmprinの発現を検証した。その結果、ヒト多形腺腫組織においても、腫瘍細胞にCD73およびemmprinの発現が認められると共に、さらに主に筋上皮分化を示す腫瘍細胞においては、SM-AP細胞移植腫瘤での免疫組織学的解析結果と同様に、CD73およびemmprinの共在が確認された。 3) 実験結果の評価と研究の総括: 細胞外基質(Extracellular Matrix: ECM)豊富な腫瘍間質の中で、腫瘍細胞自身がHIF活性化機構の標的分子の一つであるCD73を発現することで、腫瘍細胞の増殖が維持されている可能性が示された。よって、CD73による低酸素環境下での腫瘍の低酸素応答性増殖機構機構を解明できれば、CD73による細胞外アデノシンの産生を介した免疫抑制機構を標的とした免疫療法とは異なる、ECMの存在下でのCD73を介した腫瘍細胞自身の腫瘍特異的な低酸素応答性増殖機構を標的とした新たな抗腫瘍治療法を創出することができると考えられる。
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Research Products
(3 results)