2019 Fiscal Year Research-status Report
口腔悪性黒色腫新治療薬の開発-PDE1阻害剤の臨床応用を目指して
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18K09765
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
清水 香澄 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20378368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 琢 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80242965)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | phosphodiesterase / 悪性腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性黒色腫は、さまざまな治療に抵抗性で、かつ極めて悪性度が高いことで知られ、新治療法の開発が急務である。Phosphodiesterase(PDE)は、PDE1からPDE11までの11種類が報告されており、細胞内のcAMP、cGMP濃度を調整することにより様々な生理作用に関与している。われわれは最近、PDE1を阻害する作用を持つDifferentiation-inducing factor (DIF)やsildenafilといった薬剤が悪性黒色腫細胞の増殖・運動能を抑制することを発見した。そこで、PDE1阻害剤がPDE1を発現する悪性黒色腫等の治療に応用可能か、in vivoを中心として検討を行うのが今回の目的である。 今年度は、当科で樹立・継代している悪性黒色腫細胞株MAAを使用し、担癌モデルマウスを作製した。しかし、骨転移、肺転移はみられなかったため、高転移悪性黒色腫細胞株A375SMを入手した。A375SMは肺、骨にかなり高率に転移することが知られているが、PDEの発現については明らかではない。PDE1には、PDE1A、PDE1B、PDE1Cの3つのisoformが報告されているため、PDE活性測定とdigital PCRによるmRNA発現の確認を行った。その結果PDE1活性とPDE1C mRNAの発現を確認した。これは、MAAの、PDE1発現の特徴と一致していた。また、MAAと同様にPDE5Aの発現がわずかであることも確認した。 A375SM cellをヌードマウス皮下に移植し、転移実験を試みたが、6週間経過後も明らかな転移巣を確認することができなかった。現在、静脈から移植実験を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
A375SM cellをヌードマウス皮下に移植し転移実験を試みたが、6週間経過後も明らかな転移巣を確認することができなかった。sildenafilで転移が抑制されるかどうかを確認するためには、一定数以上の転移巣が必要であるため、現在は静脈からの移植実験を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
A375SM cellを静脈および動脈から移植し、肺転移、骨転移を確認する。その後、sildenafil作用で転移抑制作用がみられるかどうかを確認する。
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Causes of Carryover |
皮下移植実験において、薬剤を使用するに至らなかったため、薬剤を購入しておらず差額が生じた。今後の実験では薬剤を使用するので、購入費用にあてる。
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