2020 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of combination therapy of gene therapy with a Del1 and antibody-drug
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18K09800
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
北野 尚孝 日本大学, 医学部, 准教授 (50424726)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 癌 / 遺伝子治療 / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度、令和元年度の実績を踏まえて、令和2年度はシスプラチン(CDDP)とCDDP+E3C1 による遺伝子治療を行ったヌードマウス移植腫瘍の組織学的検討を行った。治療開始から11日目のマウスの腫瘍をH-E染色した結果コントロール治療群の腫瘍は、ほとんど細胞死を起こしていなかった。これに対して、CDDP治療群の腫瘍は、多くの細胞死が認められた。一方、CDDP+E3C1治療群の腫瘍は細胞死を認める中にも腫瘍の実質および間質が多く残存していた。 次に、治療開始から11日目のマウスにインディアンインクを静脈内投与し、腫瘍血管を描出し観察した。その結果、コントロール治療群の腫瘍血管は多数の枝を発達させており、細い血管が多数観察された。一方、CDDP治療群の腫瘍血管は、血管の数および枝が減少しており、太い血管を認めなかった。またCDDP+E3C1治療群の腫瘍血管は、太い血管を認めたが、細い血管やその枝の数は減少していた。 さらに、治療開始から11日目のマウスにトマトレクチンを静脈内投与し、腫瘍血管を摘出した。そしてその腫瘍を抗アルファスムースマッスル(aSMA)抗体または、抗CD31抗体(PECAM)によって染色した。その結果、コントロール治療群は、腫瘍間質の全体にaSMAとPECAMの発現を認めた。また、トマトレクチンによって描出された血管の周囲にaSMAの発現を認めた。一方、CDDP治療群のマウス腫瘍は、腫瘍間質にaSMAの発現をあまり認めなかったが、PECAMの発現が観察された。さらに、トマトレクチンによって描出された血管の周囲にもほとんどaSMAの発現を認めなかった。CDDP+E3C1治療群のマウス腫瘍においてはaSMAの発現が抑制されていたが、腫瘍間質にPECAMの発現が観察された。さらに、トマトレクチンによって描出された血管の周囲でもaSMAの発現は抑制されていた。
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Research Products
(1 results)