2022 Fiscal Year Annual Research Report
Etiology of burning mouth syndrome: roles of sex hormone, stress and neuropathy
Project/Area Number |
18K09801
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
今村 佳樹 日本大学, 歯学部, 教授 (90176503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 明子 日本大学, 歯学部, 教授 (10434078)
篠田 雅路 日本大学, 歯学部, 教授 (20362238)
篠崎 貴弘 日本大学, 歯学部, 講師 (50339230)
岩田 幸一 日本大学, 歯学部, 特任教授 (60160115)
野間 昇 日本大学, 歯学部, 教授 (70386100)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔灼熱痛症候群 / 下行性鎮痛 / 痛覚変調性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
BMSは原因不明の口腔内疼痛を呈する疾患であるが、中年以降の女性に発症することが多く、古くから心理ストレスや閉経との関係が注目を集めてきた。我々の研究成果でも、閉経後長期を経た患者では、閉経間もないBMS患者、健康対照に比べてConditioned Pain Control(CPM)の効果が見られなくなることを報告した。このことは、閉経の影響として下行性疼痛抑制系の障害がみられるようになることを示している。一方、先の研究からは、ラットに卵巣摘出(OVX)を施すと、舌に至る神経線維が減少することを観察した。R4には、BMSの発症機序における閉経の影響を調べるために、雌性ラットを用いてOVXを施し、その後の機械刺激に対する舌の疼痛閾値の変化を観察した。その結果、OVXラットでは、舌粘膜上皮層はShamラットと比較し有意に減少していた。また、舌粘膜上皮におけるPGP9.5陽性神経線維はShamラットと比較し減少傾向を示した。これに伴い、舌における機械刺激に対する疼痛閾値はShamラットに比較して,OVX 7日目から14日目において,有意な低下を示した。この結果から、OVXによりラットは機械刺激に対し、allodyniaを呈するようになることが示された。これまでのfMRIを用いた脳機能画像研究ならびにCPMを用いた神経生理学的研究からは、BMSでは、下行性疼痛抑制系に障害がみられるようになることが示されており、三叉神経自体には直接的な障害が加わっていなくとも、口腔内に疼痛に対する過敏な反応がみられるようになることは、BMSが痛覚変調性疼痛の病態を有している可能性を示したものと考えられる。
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