2018 Fiscal Year Research-status Report
正常唾液腺細胞の機能維持・長期大量培養法と全く新規の自家移植法の展開研究
Project/Area Number |
18K09805
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
肥後 盛洋 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任研究員 (60724383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜澤 一弘 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (30302558)
笠松 厚志 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (60375730)
小池 一幸 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10618060)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 口唇腺 / 頭頸部放射線治療 / 唾液腺機能回復 / 高度滅菌培養 / first in human / 唾液腺長期安定培養法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、頭頸部癌放射線治療前の患者の口唇腺を採取し、実験室で我々の開発した「唾液腺長期安定培養法」を用いて細胞増殖させ、放射線治療後の機能低下した唾液腺組織に注入することで唾液腺機能回復を目指している。 以下に本年度の成果を示す。 1. ヒト自家唾液腺細胞移植における細胞移植方法となる、ワルトン管を経由したカニュレーションの手技を以下のように確認し、確立した。①アテロコラーゲンの可能な投与量を検討し、適量を同定した。②アテロコラーゲンと造影剤の混和物を用いて、アテロコラーゲンが顎下腺内に到達していること、および腺体外への漏出の有無を検討するために、アテロコラーゲンと造影剤の混合物をカテーテルより投与した。③投与したアテロコラーゲンと造影剤の混和物が顎下腺体内に限局していることをレントゲンで確認した。④アテロコラーゲンの顎下腺体内投与による有害事象がないことを確認した。 2. 細胞形態の維持、唾液腺マーカーの高発現および、増殖スピードに低下を認めないRock作用薬を用いた「唾液腺長期安定培養法」を確認した。 3. プロセスシュミレーション:ヒト唾液腺細胞を千葉大学医学部附属病院未来開拓センターのCPC内で培養する準備として、千葉大学大学院医学研究院口腔科学講座の研究室において、細胞培養のシュミュレーションを行い、無菌操作が行えていることを確認した。 4. 高度滅菌培養の一連の流れについて、千葉大学医学部附属病院未来開拓センターのCPC内での全身防御服での細胞培養についてデモンストレーションを行った。審査は千葉大学臨床試験部の試験官と行い、不適正操作がないことを2回にわたり確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CPC内での口唇腺細胞培養には至っていないが、CPC内での高度滅菌培養操作は関わっている全ての研究者が習得しており、研究室において口唇腺細胞の培養は確立出来ている。そのため、CPCで口唇腺細胞の培養を行う段階になった際には、すぐに培養を開始することが出来る。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はCPC内で口唇腺培養を行い、手技の確認や適宜プロトコールの修正を行う。また、CPC内で培養した口唇腺細胞の無菌試験、マイコプラズマ否定試験、エンドトキシン試験、核型解析など、培養した口唇腺細胞に異常がないかを確認していく。
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