2019 Fiscal Year Research-status Report
生体イメージングと特異的細胞除去による再生骨成熟過程の解明と体外成熟法の確立
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18K09806
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西條 英人 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80372390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 夕子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50466744)
疋田 温彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60443397)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 再生骨・軟骨 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔外科領域における再生骨・軟骨移植では、移植時における再生組織は未熟かつ脆弱で、十分な強度を有しておらず、移植後生体内ではじめて成熟する。また、未熟な再生骨・軟骨を移植するため、効果も不安定である。これらの問題の解決には体外での再生組織成熟法の確立が必須である。これを実現するため、生体内における再生骨・軟骨成熟過程について、2光子励起顕微鏡や各種蛍光プローブを用いた生体イメージング解析を行い、移植した間葉系幹細胞の増殖から分化への移行、ホスト側細胞および因子と基質形成との関連を時空間的に解明する。さらに生体内の再生組織成熟過程をin vitroで再現し、再生骨・軟骨の体外成熟の実現を目指す。 令和1年度は、in vivoにおける再生組織成熟過程の解析を行った。赤色蛍光タンパクで標識した軟骨細胞をカバーガラスに播種し、GFPマウスに移植し、経時的な観察を行った。ホスト由来のGFP陽性細胞が移植後早期より移植した軟骨細胞の近傍に多数出現した。ホスト由来GFP陽性細胞は運動性が高く、移植した軟骨細胞に頻回に接触していることが推測される像が得られた。 また、本計画では最終的に生体内の再生組織成熟過程をin vitroで再現し、再生組織の体外成熟の実現を目指すものであるが、その準備として、in vitroにおいて赤色蛍光タンパクで標識した軟骨細胞のペレット培養を行い、GFP陽性のマクロファージを種々の異なる条件で処理した後に共存培養を行った。マクロファージの存在率は、処理条件により大きく異なっていた。また、ペレット培養による基質産生を第二次高調波発生により検出可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に確立したin vivoイメージング系を用いた移植後の細胞動態の観察を予定通り行うことができたため。また、最終年度に行う予定のin vitroにおける組織成熟を検討する系に既に着手しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度:マクロファージを蛍光標識したマウスに、赤色蛍光タンパクで標識した軟骨細胞を移植する。ホスト側のマクロファージと移植細胞の相互作用と基質形成を時空間的に検討し、ホスト側細胞が再生組織成熟に与える影響を時間軸に沿って明らかにする。また、これまでの解析で得られた知見を基に、in vitroにおいてin vivoの現象を再現し、再生組織成熟を促す系の構築を試みる。
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Causes of Carryover |
当初の想定より順調にイメージング解析が進んだため。 次年度使用額は、動物の購入や維持に使用する予定。
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