2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel treatment against refractory oral cancer by uptake inhibition of iron or induction of ferroptosis
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18K09814
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
原田 耕志 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60253217)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | デフェロキサミン / フェロトーシス / 口腔扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
鉄キレート剤デフェロキサミンが、口腔扁平上皮癌細胞HSC2、HSC3、HSC4、Ca-9-22、SASの増殖に与える影響をMTT assayを用いて検討を行った。デフェロキサミン(0 - 200 μg/ml)の濃度で、48時間以上の処理時間にて有意な増殖抑制効果を示した。具体的にはデフェロキサミン50 μg/ml、72時間処理の場合、コントロール(未処理対照)と比較して、増殖抑制率は HSC2では74%、HSC3では73%、HSC4では70%、Ca-9-22では62%、SASでは56%であり、HSC2に対する効果が最も顕著であった。一方ヒト表皮角化細胞HaCaTでは70%の増殖抑制率であり、正常細胞に対しても顕著な増殖抑制効果を発現した。興味深いことに、抗癌剤5-FU耐性株HSC2/FUでは68%であり、デフェロキサミンは抗癌剤耐性株に対しても顕著な増殖抑制効果を発現した。さらに、デフェロキサミン処理を行ったHSC2細胞のTUNEL染色を行ったところ、核の断裂や凝集が観察されたが、Caspase-3抗体でWestern blottingを行ったところ、Cleaved Caspase-3のバンドが検出できず、Caspase-3に依存しないフェロトーシスが惹起されていると考えられた。また正常細胞HaCaTに対しても、デフェロキサミンは増殖抑制効果を発現したため、デフェロキサミンの抗腫瘍効果とともに安全性を評価するために、HSC2移植担癌ヌードマウスに対してデフェロキサミン (200mg/kg) 1日1回3週間連続腹腔内投与を行ったところ、生食を投与したコントロール群と比較して、HSC2腫瘍は35%縮小し有意な抗腫瘍効果を発現するとともに、体重変化では有意差を認めず、皮膚にも明らかな変化は認められなかったことから、デフェロキサミンの副作用は少なく、その安全性は高いと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の口腔扁平上皮癌細胞株に加え、正常表皮角化細胞、さらには抗癌剤耐性口腔扁平上皮癌細胞株に対する鉄キレート剤デフェロキサミンの細胞増殖への影響を確認できた。また、デフェロキサミン処理が口腔扁平上皮癌細胞においてCaspase-3の活性化を介さない細胞死を惹起していることを確認し、フェロトーシスの誘導を示す事ができた。さらに、平成31年度に研究を予定していた担癌ヌードマウスに対するデフェロキサミン投与の抗腫瘍効果や副作用の検索も行うことができた。なお、デフェロキサミンの実験系と共に、抗マラリア薬であるアルテスネートの実験系も進めて、徐々にデーターを蓄積できている。これらのことから、おおむね順調に研究が進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はアルテスネートの実験系をさらに進めて、正常細胞と口腔扁平上皮癌細胞で、アルテスネートの作用がどのように異なるのか、その作用メカニズムの詳細を検討するとともに、担癌ヌードマウスに対するアルテスネート投与の抗腫瘍効果や副作用の検索を予定している。また、アルテスネートがフェロトーシスを惹起可能か否かを検索するとともに、フェロトーシス誘導のメカニズムについても検討したいと考えている。なお、口腔扁平上皮癌細胞ではグルタチオン ペルオキシダーゼ4(GPX4)の発現が高く、GPX4の発現抑制が癌の進展を抑え、フェロトーシスを誘導可能であることから、GPX4発現がアルテスネートの効果予測因子となり得るか否かも検索したいと考えている。
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Causes of Carryover |
この金額の今年度の使用計画は、実験動物の購入に使用する。
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[Journal Article] The Elental elemental diet for against chemoradiotherapy-induced oral mucositis: a prospective study in patients with oral squamous cell carcinoma.2019
Author(s)
Koji Harada, Haruyasu Minami, Tarannum Ferdous, Yoshiaki Kato, Hirotsugu Umeda, Daiju Horinaga, Kenichiro Uchida, Sung Chul Park, Hideki Hanazawa, Shotaro Takahashi, Misaki Ohota, Hiromi Matsumoto, Junko Maruta, Hiromi Kakutani, Sanae Aritomi, Keiko Shibuya, Katsuaki Mishima
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Journal Title
Mol Clin Oncol.
Volume: 10
Pages: 159-167
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Elemental diet Elental against chemoradiotherapy-induced oral mucositis: a prospective study in patients with oral squamous cell carcinoma2018
Author(s)
Koji Harada, Tarannum Ferdous, Yoshiaki Kato, Hirotsugu Umeda, Daiju Horinaga, Kenichiro Uchida, SungChul Park, Hideki Hanazawa, Shotaro Takahashi, Misaki Ohota, Hiromi Matsumoto, Junko Maruta, Hiromi Kakutani, Keiko Shibuya, Katsuaki Mishima
Organizer
日本癌治療学会
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