2020 Fiscal Year Research-status Report
多施設共同前向き研究による舌癌予防郭清の適応決定と転移関連バイオマーカー検索
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18K09818
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
梅田 正博 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (60301280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 浩 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (10273103)
柳本 惣市 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (10315260)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 舌癌 / リンパ節転移 / 予防的頸部郭清 / 予後 / 前向き観察研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
早期舌癌(cT1-2N0)の治療戦略において,潜在性頸部転移に対する予防的頸部郭清術の適応は有効な治療法であるが,over treatmentも危惧されることから,その適応基準は不明確である。本研究は(一社)日本口腔腫瘍学会共同研究委員会の協力を得て行う大規模多施設共同研究である。具体的な方法として,症例登録後に予防郭清をランダム化せずに根治治療を施行し,その後統一した経過観察を行うという実臨床に最も即した形の前向き観察研究を行うことにより,早期舌癌に対する予防郭清のより明確な適応基準を明らかにすることを目的とする。さらに症例登録時に癌組織のサンプリングを行い,プレシジョン・メディシンの観点から,潜在性頸部転移のバイオマーカーとしてcyclin D1 (CCND1)が有効であるかを明らかにすることも目的とする。 cT1-2N0舌癌を登録し、原発巣切除を行う。その際に予防的頸部郭清を行うか、wait and see policyにより経過観察するかなどの治療法は各施設の方針に従い実施する。共通の経過観察を行い、QOL調査も同時に行い、潜在性頸部転移や頸部後発転移の出現、および生命予後をエンドポイントとする。また、QOLも副次エンドポイントとして、予防的頸部郭清あるいはwait and seeのいずれが総合的に優れているかについて判定を行う。さらに原発巣切除時に得られた手術材料からcyclin D1 (CCND1)を定量解析し、頸部転移のバイオマーカーとして有用であるかについて検索を行う。 当初2020年度で研究を終了する予定であったが、目標症例数の860例に届かず登録期間と研究期間を延長し引き続き症例登録を行っている。新型コロナ感染症流行のため2020年度は打ち合わせ会ができず、症例登録がやや遅れており、1年間延期をし、できるだけ症例登録を進める予定である。今年度は可能な限りオンラインでの会議なども実施して研究を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症流行のため他施設との打ち合わせ会が行えず、症例登録がやや遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔腫瘍学会共同研究委員会を通して全国の分担施設に症例登録を依頼するとともに、共同研究者とZoom会議を行い、症例登録の促進を依頼する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症流行により研究計画に若干の遅れが生じた。症例登録に係る費用に充てる予定である。
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