2020 Fiscal Year Research-status Report
磁性造影剤と磁気プローブを用いた新しい口腔癌センチネルリンパ節同定法の確立
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18K09819
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
岩井 俊憲 横浜市立大学, 附属病院, 講師 (00468191)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔癌 / センチネルリンパ節 / 磁性造影剤 / 低侵襲 |
Outline of Annual Research Achievements |
頸部リンパ節転移を伴わない早期口腔癌症例における後発頸部リンパ節転移(頻度:20~40%)は予後因子となり,その制御が極めて重要である.予防的頸部郭清術は侵襲が大きいため,近年センチネルリンパ節生検が口腔癌にも導入されてきたが,ラジオアイソトープ(RI)法を用いたセンチネルリンパ節生検は放射線被爆や放射線管理区域の問題があり,どの施設でも行えるわけではなかった.これらを改善するために,われわれはインドシアニングリーン(ICG)を用いた小切開による低侵襲なセンチネルリンパ節生検を開発してきたが,いまだいくつかの課題が残されている.本研究の目的は頸部リンパ節転移を伴わない早期口腔癌症例に対する磁性造影剤を用いたMR lymphographyによるセンチネルリンパ節のマッピングおよび磁気プローブを用いた新しい低侵襲なセンチネルリンパ節生検を確立することである. 口腔癌周囲4か所に磁性造影剤(リゾビスト)を各0.1 ml(計0.4 ml)を注入し,10分後にMRIの撮影を行った.MR lymphographyによりセンチネルリンパ節のマッピングは可能であった.改良したストレートシャフトのジキプローブの感度は良好であり,開発した金属フレームなしの手術台に装着できるヘッドフレームやチタン製の非磁性器具(鈎や鑷子など)を使用することで,磁性造影剤の流入したセンチネルリンパ節は同定可能であった.センチネルリンパ節が深い位置に存在した場合には,磁気プローブでの同定は困難であったが,MR lymphographyによるセンチネルリンパ節のマッピングにより,皮膚切開位置の設定は十分可能であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
安定した磁気プローブを使用することで,磁気法によるセンチネルリンパ節の同定が可能となったが,予定実施症例数まで到達できていない.
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Strategy for Future Research Activity |
症例数を増やして,本法の有用性を検討し,本研究成果を論文化する.
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Causes of Carryover |
実施症例数が予定数まで到達していないことと,磁気プローブの改良費用が予定より少なくて済んだこと,コロナウィルスの影響で学会出張が取りやめになった影響により,次年度使用額が生じた.
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Research Products
(1 results)