2020 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive analysis of cariogenic bacteria cell surface proteins for risk of infective endocarditis
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18K09831
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野村 良太 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (90437385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鋸屋 侑布子 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (40803078)
大継 將寿 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (40803086)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | う蝕 / Streptococcus mutans / 感染性心内膜炎 / コラーゲン結合タンパク / 血管内皮細胞 / 細胞外マトリックス / 低分子量Gタンパク質 / ARHGEF38 |
Outline of Annual Research Achievements |
う蝕の主要な原因細菌であるStreptococcus mutansは、血液を介して何らかの基礎疾患を有する心臓弁に付着することにより感染性心内膜炎を引き起こすことが知られている。特に、健常者の口腔から約10~20%の割合で分離されるコラーゲン結合タンパク(collagen-binding protein; CBP)を菌体表層に発現するS. mutansでは、血管内皮細胞への高い侵入能を有することが明らかになっている。本研究では、CBP陽性S. mutansが血管内皮細胞に侵入するメカニズムの解明を試みた。 CBP陽性S. mutansは血清存在下においてのみ、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞への高い侵入能を示した。そこで、血清中の主要な細胞外マトリックスであるIV型コラーゲン、フィブリノーゲン、フィブロネクチンおよびビトロネクチン存在下におけるCBP陽性S. mutansの血管内皮細胞への侵入能を評価したところ、CBP陽性S. mutansはIV型コラーゲン存在下において、他の細胞外マトリックス存在下と比較して有意に高い細胞への侵入率を示した。次に、CBP陽性S. mutansを感染させた血管内皮細胞からRNAを抽出し、マイクロアレイ法による解析を行なった。その結果、CBP陽性S. mutansを感染させることにより、低分子量Gタンパク質に関連する遺伝子であるARHGEF38の発現の上昇が認められた。そこで、siRNAを用いたトランスフェクションによりARHGEF38をノックダウンした結果、CBP陽性S. mutansの血管内皮細胞への侵入能は有意に低下した。本研究結果から、CBP陽性S. mutansは血清中のIV型コラーゲンに結合後、ARHGEF38の発現を上昇させることにより、細胞骨格の構造変化を引き起こして血管内皮細胞内に侵入する可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)