2018 Fiscal Year Research-status Report
脳腸モデルによる迷走神経の活性化を応用したブラキシズムの根本療法開発への基盤研究
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18K09840
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
菅 真有 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (50779973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 正一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (80295807)
八木 孝和 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 講師 (10346166)
大賀 泰彦 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (40780002)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 唾液分泌 / 脳腸モデル / ブラキシズム / 経皮的電気刺激療法 / 顎口腔機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は迷走神経の活性化による、安全で個人差の少ないブラキシズムの根本療法を開発するために、神経ペプチドや、経皮的迷走神経刺激が唾液や嚥下に与える影響を調べ、迷走神経の刺激と唾液、嚥下、ブラキシズムとの因果関係について、脳腸相関を基軸に解明することを目的とする。本研究により、迷走神経の活性化が、唾液や嚥下を促進して食道内の酸をクリアランスすることで、ブラキシズムの発現を抑制するとの仮説を立証する事ができればより効果的なブラキシズムの根本療法へと発展し、さらにはこの機序を用いてブラキシズムのみならず、胃食道逆流の症状緩和にも効果的であることが予測される。また、ドライマウスの新たな治療法や、摂食嚥下リハビリテーションへと応用できる可能性が高く、健康寿命の延伸に寄与すると考えられる。 今年度は、上記目的を達成するため、モデル動物を作成して唾液分泌を含む顎口腔機能を測定するための研究基盤の構築を行った。また、成獣ラットを用いて、モデル動物を作成するための、手技の確認、検討を行っている。また、圧力・歪み応力増幅装置、データ集積装置を用いて安静時の唾液分泌量を含む顎口腔機能を計測中である。今後も成獣ラットを用いてモデル動物の作成を行い、N数を増やして調査を継続すると共に、老齢ラットを用いて同様の記録を測定し、データの解析を行う。その後、最も効果的に顎口腔機能を促進する刺激方法について検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデル動物の作成において、手技の確認や検討を行っているが、当初計画と比較して、N数が確保できていないため、やや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
迷走神経の刺激と唾液、嚥下、ブラキシズムとの因果関係について解明するために、引き続きラットを用いてモデル動物の作成を進めていく。モデル動物の作成後は、安静時の唾液分泌や嚥下運動を含む顎口腔機能を測定する予定である。その後、唾液分泌や嚥下運動等の顎口腔機能の促進に効果的な迷走神経刺激の至適条件を探索し、次にそれらの条件がブラキシズムの抑制に有効かどうかを検証するため最も効果的に顎口腔機能を促進する刺激部位や刺激方法を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた機器に関して、予定していた金額よりも安価になったため、当初の計画よりも使用金額を安価にすることができた。また、本年度に予定していた実験過程が当初の予定に到達しなかったため、実験に必要な消耗品等が予定額より少なくなった。今後はモデル動物の作成と顎口腔機能の測定を継続するために、引き続き動物の個体数を増やす予定である。また、効果的に顎口腔機能を促進する至適条件を探索するために、複数の試薬を購入予定である。
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