2019 Fiscal Year Research-status Report
脳腸モデルによる迷走神経の活性化を応用したブラキシズムの根本療法開発への基盤研究
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18K09840
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
菅 真有 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 客員研究員 (50779973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 正一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (80295807)
八木 孝和 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 講師 (10346166)
大賀 泰彦 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (40780002)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 唾液分泌 / 脳腸モデル / ブラキシズム / 上部消化管機能 / 脳腸ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は唾液や咬合力等の顎口腔機能、上部消化管活動およびブラキシズムとの因果関係について、脳腸相関を基軸に解明することを目的とする。今年度は上記目的を達成するため、マウスを離乳直後より、粉末食摂取により咀嚼刺激を低下させたマウス(実験群)と下顎前歯にレジンを築盛し粉末食を摂取させたマウス(実験群)と通常固形食を摂取したマウス(対照群)に群分けし、モデル動物を作成し、毎週体重を測定した。また、5%木炭懸濁液を用いて上部消化管活動を測定するための手技の確認を行った。さらに、飼育開始から8週間以降経過した段階で、唾液分泌量、咬合力等の顎口腔機能の測定を行った。その後、高架式十字迷路を用いて各モデルにおいて個体行動解析を行った。また、RT-PCR法にて、それぞれのモデルにおける発育因子の遺伝子発現量の検討を行うための研究基盤の構築を行った。その結果、実験群では、対照群と比較して体重の差は認められなかった。また、唾液分泌量については、実験群が低下する傾向を示したが、個体間におけるばらつきが大きいため測定手技の検討が必要であると考えている。一方、実験群は不安様行動が増大する傾向を認めた。なお、咬合力に関しては測定するための手技の確認と検討を行っている。以上により、成長期の咀嚼刺激は唾液分泌等の顎口腔機能を促進すること、不安要素においても影響を及ぼすことが示唆された。今後も、モデル動物の作成を行い、N数を増やして調査を継続すると共に、顎口腔機能に影響を及ぼす要素を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデル動物の作成において、当初計画と比較して、N数が確保できていないため、やや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、モデル動物の作成を行い、N数を増やして調査を継続する。唾液分泌量について個体間のばらつきが大きいことから、測定条件や分泌促進材の使用を検討する。咬合力に関して測定方法の手技の確認後各モデルにおいて測定を行う。また、行動実験後に咀嚼筋、唾液腺、脳、胃、血液を取り出し、組織学的解析を行い、それぞれの試料における発育因子の遺伝子発現量の検討をRT-PCRで行う予定である。さらに、脳腸ペプチドの脳室内投与を行い、唾液分泌量等の顎口腔機能を測定して最も顎口腔機能を促進する因子を検討し、さらに個体行動解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度に予定していた実験過程が当初の予定に到達しなかったため、実験に必要な消耗品等が予定額より少なくなった。今後はモデル動物の作成と顎口腔機能、不安様行動の測定を継続するために引き続き動物の個体数を増やす予定である。また、効果的に顎口腔機能を促進する条件を探索するために、複数の試薬を購入予定である。
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