2019 Fiscal Year Research-status Report
A novel signaling eregulates patterning and growth in the face.
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18K09841
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
川上 正良 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (20244717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和中 明生 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90210989)
下村 忠弘 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (90645607)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 発生・分化 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 上顎 / 歯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは、これまで顎顔面の形成過程を司る分子シグナル機構を調べてきた。昨年までにWntシグナルを制御すると顎顔面の発生が阻害され、唇顎裂が発症することを明らかにした。平成30年度は、Wntシグナルを活性化すると組織発生に関与する遺伝子(Msx1, Bmp4, Tbx22, Sox9, Barx1)の上顎突起組織における発現が、upregulateすることを明らかにした。今年度は、Alsterpaullone(AL:beta-catenin分解阻害剤)を用いて、Wntシグナルを活性化させた時の上顎突起組織の変化を調べた。ALはWntシグナルが不活性な時、伝達物質beta-cateninを分解する酵素を阻害する酵素で、beta-cateninを増加する働きがある。Beta-cateninは細胞核内に入り形態形成関連の遺伝子を活性化する。ALをAffi-gel beadsに浸潤させ、顔面突起が癒合して上顎の形態形成が行われる直前のchick embryoの上顎突起に投与した。免疫組織化学的観察の結果、ALを投与すると上顎突起に著明なN-cadherinの発現を認めた。N-cadherinは細胞接着に関与するタンパクで、N-cadherinの発現が上昇するとbeta-cateninが上昇し、細胞凝集、特に軟骨細胞の形成が促進される。したがってWntシグナルを活性化させると顎顔面組織の成長発育が促進されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、当初の計画③細胞増殖活性④免疫組織学的染色をN-cadherinについて行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画③細胞増殖活性④免疫組織学的染色について、N-cadherin以外のタンパクについても同様に実施する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由 平成30年度、令和元年度とも計画した研究は実施されており、国際学会への発表も行い経費も支出した。研究期間中で予定されている実験が残っているため次年度使用額が生じた。 使用計画 残っている実験を遂行するとともに老朽化している現有実験機材の更新を行うために使用する。
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