2020 Fiscal Year Annual Research Report
Peripheral and central intervention to pain during orthodontic tooth movement
Project/Area Number |
18K09843
|
Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
須田 直人 明海大学, 歯学部, 教授 (90302885)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村本 和世 明海大学, 歯学部, 教授 (10301798)
安達 一典 明海大学, 歯学部, 教授 (20349963)
坂上 宏 明海大学, 歯学部, 教授 (50138484)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 矯正治療 / TRPV / 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
矯正治療では歯の移動に伴い疼痛を生じる.負荷された矯正力は他の末梢性疼痛と同様に,三叉神経節を興奮させV1,V2領域のサテライトグリア細胞にglial fibrillary acidic protein(GFAP)の発現を誘導させる.これまで,疼痛を定量評価可能な動物モデルを用いて,矯正力負荷に伴う疼痛の緩和方法を検討してきた.本モデルでのTransient Receptor Potential Vanilloid 1(TRPV1)拮抗薬の腹腔内投与や歯周組織へのレーザー照射は,矯正力負荷で生じる開口反射と三叉神経節の興奮を有意に抑制した.近年,TRPV1とTransient Receptor Potential Ankyrin 1(TRPA1)は共役関係にあり,炎症の惹起・維持に重要と報告された.これらの受容体は中枢と末梢に広く存在しているが,TRPV1拮抗薬の全身投与は発熱などの副作用を生じ,臨床応用は困難と考えられている.そこで,末梢での効果を調べるために,矯正力負荷に伴う疼痛と三叉神経節活性に対するTRPV1とTRPA1拮抗薬の歯肉塗布の効果を検討した.その結果,いずれの拮抗薬も矯正装置装着後1日後に塗布することで,単独で用量依存的に鎮痛効果を発現した.しかし,その効果は先行研究のTRPV1拮抗薬全身投与やレーザー照射と比較して有意に低く,三叉神経節のGFAP発現も抑制されなかった.しかしながら,両者を併用することで鎮痛効果は有意に増強され,TRPV1拮抗薬の全身投与やレーザー照射と同等の効果を得ることが出来た.また,その際に,歯肉溝温度と直腸温に変化はみられず,矯正臨床における疼痛制御への有効性が示された.
|
Research Products
(7 results)