2021 Fiscal Year Research-status Report
母体血中の終末糖化産物による胎児形態異常発生のメカニズムの解析
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18K09845
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
太田 一正 東京医科大学, 医学部, 准教授 (30307376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 洋一 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (10637664)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 終末糖化産物 / 終末糖化産物受容体 / AMP活性化プロテインキナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
母体栄養状態が胚発生におよぼす影響についてはその結果がもたらす大きさにもかかわらず,分子レベルでの解析は進んでいない.特に,糖尿病患者が増加の一途を辿り続ける中,高血糖による催奇形メカニズムの解明は重要である.高血糖状態により生じる終末糖化産物(advanced glycation end products; AGEs)が 胎児発生に影響を与える可能性が十分に考えられる. そこで, AGEsの細胞増殖に対する影響とストレス応答シグナル伝達系の関連を調べるため,いくつかの培養細胞株を用いてAGE-ウシ血清アルブミン(BSA)による影響 を検討した.検討したすべての細胞株でAGE-BSAによる細胞増殖のわずかな抑制傾向が認められた.これらの細胞株についてAGEsに対応する受容体RAGEの発現を抗RAGE抗体を用いたウェスタンブロットにより解析したが,RAGEの発現は認められなかった.また,RAGEのシグナル伝達経路上にあると考えられるAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)やMAPキナーゼ(JNK,p38,ERK)についても,抗リン酸化抗体を用いたウェスタンブロットによる解析でその活性化について検討した.先行研究と異なり,これらの酵素の活性化は認められなかった.そのため,細胞種やAGEs自体の特性など特異的な要因が関与していると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
カリキュラム改編による新講義プログラムが開始され,R2年度に引き続き新型コロナウイルス感染症に対応するための教育コンテンツとして作成したため,講義・実習にほとんどのエフォートを費やした.そのため,進捗状況は遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
AGE-RAGEシグナル伝達系にAMPKが関与しているのかを調べるため,RAGEの様々なコンストラクトを強制発現させた細胞株でのAMPKシグナルの検討を行う.また,これらが培地中のグルコース濃度の影響を受けるかなどを検討するとともに,停滞していた動物実験を実施して検討を進める.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による研究の停滞・遅延により,定期的な細胞維持に関わる試薬・プラスチック器具等の費用以外の支出がほとんど無かった.R4年度までの研究期間の延長により順次研究計画を進めて予算を執行する予定である.
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