2019 Fiscal Year Research-status Report
Study of prevention of orthodontically induced root resorption; focusing on the role of HSP72.
Project/Area Number |
18K09847
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
新井 千博 鶴見大学, 歯学部, 学内講師 (10460221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 義明 鶴見大学, 歯学部, 学内教授 (90350587)
花田 信弘 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70180916)
中村 芳樹 鶴見大学, 名誉教授, 名誉教授 (10097321)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歯科矯正学 / HSP72 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、矯正力が引き起こす歯根吸収に対するHSP72の影響の解明と、HSP72の選択的機能阻害分子であるPifthrin-μが歯根吸収の抑制剤になり得るか検討することである。12週齢Wistar系雄性ラット(n=40)の上顎第一臼歯をニッケルチタン製のクローズドコイルスプリングを用いて10gの力で近心方向に移動した。実験群には移動開始前日からHSP72の機能抑制分子であるPifithrin-μ(3mg/kg)を、対照群には偽薬を、実験期間中、隔日腹腔内に投与した。移動開始6時間(n=10)、24時間後(n=10)に過量の3種混合麻酔薬を投与して、実験動物の苦痛を軽減させて屠殺、還流固定を行い、上顎骨を採取後に脱灰、パラフィン包埋を行い、薄切切片を作製した。その後、インターロイキン-6(IL6)とTumor Necrosis Factor-Alpha(TNF-α)の発現を免疫染色により検討した。その他の個体は、実験開始7日および14日に麻酔下で上顎歯列の印象採得を行い、石膏模型を作製した。その後、石膏模型はマイクロCT撮影を行った。実験開始21日後に過量な麻酔下のもと屠殺、還流固定を行い、上顎骨を採取した。採取した上顎骨のマイクロCT撮影を行い、脱灰、パラフィン包埋を行い、薄切切片を作製した。 歯の移動開始6時間後の歯根膜に発現するIL6とTNF-αは、Pifithrin-μ投与により抑制される傾向が観察された。また、歯の移動開始から7日と14日の歯の移動量は、実験群で有意に少なかった。本研究結果について、European Orthodontic Society Congress 2020,Hamburg, Germany(6月10日から14日)で発表予定であったが、COVID-19の影響により学会が中止となった(ポスター承認番号4470SP)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成30年度途中で主任教授が他大学から着任し、医局運営や臨床、教育法の再構築に多くの時間が割かれ、本研究課題を推進する時間が十分に確保できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の手技は確立されている。本年度以降は、計画通り推進する予定である。
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Causes of Carryover |
令和元年度の研究では、経費の多くを使用するin vitroの研究がほぼ行えなかったため次年度使用額が生じた。令和2年度は、予定通りin vitroの研究を行う。
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