2019 Fiscal Year Research-status Report
高密着性、高柔軟性を有する高水素含有DLC成膜へのプラズマを用いた抗菌機能の付与
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18K09864
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
六車 武史 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (20343436)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 矯正用材料 / DLC成膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的として、DLCコーティングの水素量をコントロールすることにより、密着性と柔軟性に優れる高水素含有DLCの創成を試みることであるが、試料として矯正用ステンレス鋼ワイヤー(.017”×.025”)にプラズマイオン注入成膜装置を用いて、到達真空度1.33×10-3Paにて2つの条件下でDLCコーティングを施したワイヤー(DLC1:ターゲット電圧10kV、アセチレンとトルエンの混合ガスを3分間堆積 DLC2:ターゲット電圧7kV、トルエンガスを4分間堆積)を作製した。DLCコーティング層の厚みはDLC1、DLC2とも0.3マイクロメートルであり、矯正用ワイヤーの1/1000程度の厚みであり、矯正用ワイヤーとして臨床的に十分許容できるものであると考えられる。またラザフォード後方散乱分析での最表層部の水素含有量はDLC1で29%、DLC2で33%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DLC1、DLC2および未処理の矯正用ステンレス鋼ワイヤーについて押し込み深さ1.0mmと1.5mmの2種類の3点曲げ試験を行いコーティング層の剥離の違いを検討した結果、1.0mmでは剥離等は見られなかったが、1.5mmでは2種類のコーティングワイヤーとも剥離が観察された。
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Strategy for Future Research Activity |
実際のブラケットと矯正用ワイヤー間における接触によるコーティング層の密着性の評価を行い、口腔内を想定した人工唾液に用い電気化学的に生じる腐食現象について考察を加える。
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Causes of Carryover |
今後の研究に使用する予定の物品の購入について新しいモデルが出てきており、考慮しているため。
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