2022 Fiscal Year Annual Research Report
Antimicrobial functionality using plasma to highly hydrogen-containing DLC coating with high adhesion and high flexibility
Project/Area Number |
18K09864
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
六車 武史 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (20343436)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 矯正用アーチワイヤー / DLC成膜 / 水素含有量 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで矯正用材料にDLC成膜を施し、その摩擦特性と細菌付着性について検討し、DLC成膜による表面改質がそれらにとって有効であることを報告してきたが、摺動性が効果的に発揮できる膜厚のDLCを成膜した場合、材料のたわみによりDLC層の剥離と破壊が認められた。臨床応用するにあたっては、DLC成膜の密着性と柔軟性についてさらなる改良が必要であった。本研究では、臨床応用するにあたりDLC成膜の密着性と柔軟性を向上させることを目的として、DLC成膜における水素量をコントロールし、高水素含有DLCの創成を試みることを目的とした。ステンレススチール製矯正用アーチワイヤーに条件の異なる2種類のDLC成膜条件で成膜した試料を作製し、水素含有量の定量を行い、矯正用ブラケットとの摩擦特性および高密着性、高柔軟性を検討した。その結果、2種類のDLC成膜の水素含有量はそれぞれ平均で23%、27%であり、ともに成膜厚さは0.3μm程度であった。摩擦特性については2種類のDLC成膜ワイヤーとも優れていたが、高密着性および高柔軟性は1種類のDLC成膜ワイヤーで優れていた。2種類の水素含有量のDLC成膜ワイヤーを比較した場合、水素含有量が高いと硬さは低くなる傾向を示したが、柔軟性が向上し、ブラケットとの摩擦力の低減に関わる、コーティングの強い接着性を示した。これらの結果から、マルチブラケット装置による歯の移動を考慮した際、水素含有量の高いDLC成膜ワイヤーは効率的な矯正用材料となることが考えられた。
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