2019 Fiscal Year Research-status Report
口腔機能・形態の発育を担う顎顔面骨格筋局所に発現するアミノ酸センサーの役割
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18K09865
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
森川 和政 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (70514686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 皿 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00326472) [Withdrawn]
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
佐藤 毅 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (60406494)
人見 涼露 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (70548924)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨格筋代謝 / 骨代謝 / Tas1r3 / Tas1r1 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、小児の健やかな成長のために噛む・飲みこむ・話すなどの口腔機能の重要性が認識され関心が高まっている。また適切な口腔機能を営むためには機能的形態を獲得する必要があるが、頭蓋・顎顔面の形態的特徴は遺伝的要因だけでなく、構成する骨の成長や骨同士の相互作用、さらには骨に付着する骨格筋などの影響を強く受ける。特に歯列形態においては、外側から頬筋や口輪筋など口腔周囲筋からバクシネーターメカニズム(頬筋機能機構)といわれる外圧が加わり、内側から舌筋による内圧が加わり、上下的に咬合力が加わっていることにより、歯列弓はそのバランスの取れたところに位置していると考えられている。しかしながら口腔の機能や形態に与える顎・顔面骨格筋の役割には依然として不明なことが多い。うま味受容体Tas1r1/Tas1r3は味蕾に発現しアミノ酸を認識するだけでなく、小腸粘膜上皮細胞や骨格筋に発現しアミノ酸代謝に関与すると言われているがその役割には不明な点が多い。 まずTas1r1とTas1r3の両方とも骨格筋に発現することを確認した。またTas1r1とTas1r3は骨格筋幹細胞のサテライト細胞、筋芽細胞株C2C12細胞にも発現し、分化とともにその発現が上昇した。オートファジーは飢餓状態を生き抜くために自己消化することで栄養源を確保していると一般には理解されているが、飢餓状態にした骨格筋線維ではオートファジー関連遺伝子の発現が上昇するとともに Tas1r1と Tas1r1とTas1r3の発現が低下した。Tas1r1/Tas1r3はmTOR1を活性化してAutophagyを抑制することが知られているため、飢餓を認知したTas1r1/Tas1r3は自身の発現を減少させることでAutophagyを活性化し骨格筋タンパク質を分解することで血中にアミノ酸を供給している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染事故により動物施設の閉鎖が長引き、動物実験が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Tas1r3だけでなくTas1r1 nullマウスの作出にも成功した。これらのマウスを使ってvivoを中心に顎顔面の骨格筋、骨の形態、機能を解析していく。
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Causes of Carryover |
動物実験の遅れに伴い、それにかかる消耗品の費用が少なかったため。
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