2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of an oral health supportive program for people with intellectual disability
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18K09875
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柴田 佐都子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00463977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Stegaroiu Roxana 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10303140)
池田 吉史 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (20733405)
大内 章嗣 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80334671)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 知的障害者 / 実行機能 / 障害者福祉施設 / 歯科口腔保健 / 口腔保健行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、リスク発見・行動変容支援型のプログラムに加え、特別支援教育的アプローチを取り入れた、障害者の口腔保健支援プログラムを開発することを目的としている。2020年度の進行状況は以下のとおりである。 障害者福祉施設2施設20名強を対象として、特別支援教育において知的障害者の適応行動の背景要因と考えられている実行機能を評価するため、施設通所者の口腔保健状況と実行機能からみた歯磨き行動をについてアンケート調査を実施した。 親族に日本歯科医師会の標準的な成人歯科健診プログラムの質問紙と独自に作成した実行機能からみた歯磨き行動の質問紙、施設職員に実行機能の2つの質問紙(DEX、EFQ)への回答を求めた。 その結果、「かかりつけ歯科医院」「年1回以上の定期歯科健診」「就寝前の歯磨きの実施」「フッ化物入り歯磨剤の使用」「歯磨き指導を受けた経験」は7割以上の対象者にみられた。また、「歯科医院の受診困難」「甘い飲食物の間食」「フロス・歯間ブラシの未使用」は8割以上であり、「歯磨き時の出血・歯肉の腫れ」は4割弱に認められた。全体の8割弱は生活習慣に関連した歯科保健指導が必要であった。さらに、DEXとEFQの値は目標志向的行動と社会的行動の切り替え、プランニング・ワーキングメモリ、モニタリングで実行機能の弱さを示し、それらを基とした口腔保健行動支援の必要性が明らかになった。さらに、DEXとEFQ、EFQと歯磨き行動の質問紙それぞれに中程度の相関関係が認められ、EFQと歯磨き行の質問紙の有用性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による影響のため、福祉施設との連携に支障が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔保健等および実行機能の評価に参加した知的障害者数は20名強にとどまったため、次年度は協力可能な福祉施設の地域規模の拡大等によって参加者数増を図る。また、2020年度の調査で得られた結果は知的障害者に特有なものであるかについて検証を行う。そして、知的障害者の口腔の健康を維持するための口腔保健支援プログラムの開発につなげる。
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Causes of Carryover |
新コロナウイルス感染症の影響によって障害者福祉施設との連携に支障が生じ、研究参加者の募集規模は制限を受けた。そのため、当初購入予定の物品費等および人件費・謝金は次年度に介入研究を行う際に使用する予定である。また、参加予定であった学会の学術大会が中止となったことも次年度使用額の発生理由となった。その費目は、参加を予定していた学会で次年度に開催される学会学術大会の参加に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)