2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an oral health supportive program for people with intellectual disability
Project/Area Number |
18K09875
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柴田 佐都子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00463977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Stegaroiu Roxana 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10303140)
池田 吉史 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (20733405)
大内 章嗣 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80334671)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 知的障害者 / 実行機能 / 歯磨き行動 / 口腔保健支援プロフラム / 障害者福祉施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
知的障害者はう蝕や歯周病といった口腔疾患のリスクが高く、口腔衛生や食生活に関する生活習慣の改善を含めた保健行動の変容が必要である。しかし、知的障害者に対する口腔衛生の維持・向上に関する効果的な支援策の報告はない。本研究では、リスク発見・行動変容支援型のプログラムに加え、知的障害者への特別支援教育的側面からのアプローチを取り入れた、障害者の口腔保健支援プログラムを開発することを目的とした。 最終年度の2022年度は2021年度に引き続き、障害者福祉施設通所の知的障害者を対象として、歯磨き行動において困難さがみられた実行機能の因子を補うため、同意が得られた対象者に対し、歯磨き支援媒体を用いて歯科衛生士による歯磨き指導を行った。その結果、歯磨き指導終了後の口腔衛生状態は歯磨き指導開始前に比べ有意な改善が認められた。 知的障害者は知的機能と適応行動に制約を持つと考えられている。日常生活は場面による適応行動を必要とするが、それを支える実行機能を支援するための取り組みが特別支援教育で行われている。本研究は、その特性を理解し、口腔保健行動を支援するため、障害者福祉施設通所の知的障害者を対象者とし、歯科的ニーズ、日常生活と歯磨き行動の実行機能を質問紙調査によって把握した。また、その特性について健常成人と比較検討した。特に実行機能を考慮した歯磨き行動の質問紙は、特別支援教育の分担研究者の協力を得て独自に開発し、対象者の歯磨き行動特性の理解を促進できた。それらの取り組みは、歯磨き行動の支援方略検討のため、歯科専門職に有益な知見をもたらし、対象者に困難さが認められた実行機能を補うための支援媒体の考案・作製、予備的介入研究の実施に至った。さらに、予備的介入研究の結果を足掛かりとしてプログラムのデザインを構築することができ、知的障害者向けの口腔保健支援プログラムの開発として一定の成果が得られたと考えている。
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Research Products
(3 results)